EVT1000

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EVT1000とは、大阪電気通信大学が開発中の超小型モビリティである。

概要[編集]

大阪電気通信大学自由工房が開発中の、自動車電車の中間の乗り物として「街中を走るエコな乗り物」を目指して開発されている、超小型モビリティである。

2017年4月に開発がスタートし、運用開始は2018年4月を予定されている。

主に学園祭やオープンキャンパス等の催し物用に使用される。

営業最高速度は50km/h、設計最高速度は100km/hである。

設計には自由工房各プロジェクトが合同で行っており、インバーター、車体設計は電気自動車班。ソフトウェア全般がマイクロマウス班。保安、安全装置等はインテリジェントビークル班が

共同で製作している。

インバーター部にGaN HEMTというスイッチング素子を採用する、正弦波駆動を採用するなど、静穏化+省エネ化に力を入れている。

EVTとはElectric-Vehicle-Trainの頭文字から採られている。

車体愛称などはまだ決まっていない。

構造[編集]

車体[編集]

車体は軽量アルミニウム合金製で、カウルのみがFRP製になっているのは軽量化や、高速走行をしないため強度をあまり必要としないためである。運転席は床下にある制御機器に素早くアクセスできるようにするため、運転席を車両中央に配置したほか、客用扉には左右跳ね上げ式扉を採用し、利便性を向上させている。夜間や霧等にも対応するため、前照灯は計6灯(内4灯はLED)後部灯は4灯になっており、そのうち2灯はフルカラーLEDを採用し車両ごとに色を変えている、その他、バッテリーやインバーター等の機器類が全て床下に配置されるなど、車体は徹底的な低重心化が行われ、乗り心地を向上させている。

外部の配色は前頭部と車体上半分は桜色、車体下半分は萌黄色(ライトグリーン)、客用扉の窓周囲は茶色とし、春をイメージしたカラーリングとなっている。また前頭部側面には形式称号と電気をイメージした「EVT1000」のロゴマークリサージュ図形が配されている。

主要機器[編集]

台車[編集]

台車は自由工房が開発したTDL01が採用されており、Thrast Dopper Linkと呼ばれる二本のベルトで車軸を駆動及び制動を行い、自由車軸を駆動する方式が取られており、急曲線や脆弱な路盤に対応できるような設計になっている。また、操舵輪にはアッカーマン方式を採用し、ギア比を変更したラック&ピニオン機構で、重い車体でも人の力だけで操縦することができる。また、駆動軸と操舵軸は

完全に分離しているため、衝撃を効率よく分散できるようになっている。

また台車と車体の間には制振ゴムが入っており、モーターの振動を伝えにくい構造となっている。

車輪には14インチのスポークホイールを使用し、1両あたり計6輪で車体を支えている。

インバータ[編集]

高効率・低騒音化を図るため、電動車両には自由工房電気自動車班がEVT1000のために専用設計したAurelia Driveというインバーターを搭載する。主回路部は次世代のスイッチング素子と期待されているGaN-HEMT素子によるPWMインバータで1基の電動機を制御する。また、制御方式には疑似正弦波で駆動し、MCU側で自動で電子進角を行うことで、粘着の向上による力行時の空転・滑走防止を図っている。補助電源部は各種制御装置用に5種類の電圧を出力しており、主回路部と同じくGaN-HEMT素子を用いたスイッチング電源で高効率化を図っている。なお、緊急時用に補助バッテリーを搭載しており、主バッテリーが何らかの理由で電源が来なくなった場合、電磁開閉器をオフにしたのち、客室灯、無線系統のみ補助バッテリーに切り替えるようになっている。なお、補助モーターには別のインバータが搭載されており、別々に制御できるようになっている、これにより定速走行中の騒音を下げることができ、バッテリー消費も抑えることができるようになっている。

電動空気圧縮機は騒音の原因となるため、採用されていない。

主電動機・補助電動機[編集]

主電動機には三菱電機製全閉外扇3相モーターを搭載しており、出力は2.2KWである。床下につりさげられるように搭載されており、雨天時など雨や土の侵入を防止するため、モーター軸からのびる

ベルトごと、ケースに収められて搭載されている。

また、補助電動機にはミツバ製CQブラシレスモーターを使用し、出力は0.5KW。これは床上に搭載されており、運転台の真下に搭載されている。

蓄電装置[編集]

バッテリーにはGSユアサ製の鉛蓄電池を搭載しており、総出力は24V/30Ahになっている。

また補助バッテリーには同じくGSユアサ製の鉛蓄電池で総出力は24V/3Ahである。

また回生ブレーキにより発電した電力を貯蓄するため、ニチコン製電気二重層コンデンサを10直4並列して搭載している。

制動装置[編集]

制動装置には、三系統あり、安全性を向上させている。

一つ目は電気指令式電磁力ブレーキである、これは電磁力によりキャリパーブレーキを動かすことで車体を制動させるブレーキである、主にこのブレーキを使用する。

二つ目は回生ブレーキである、モーターから発生する逆起電力を利用し車体を制動させるブレーキである、主に高速走行時に使用する。

三つ目は非常ブレーキである、直接ワイヤーを引っ張りキャリパーブレーキを動かし停止させるブレーキである、電気系統が止まった場合に使用する。また非常ブレーキは駐機時にも

車体が動かないようにする目的で使用する。

車内[編集]

航空機高速バスなどの交通機関と差別化を図り、魅力ある移動環境を提供するため「快適な乗り心地」と「いつもとは違う特別感」を重視した。本車両はそれを実現するためにシートピッチを広くとる、USBポートによる充電サービス、

車体情報を表示するモニター、Fostex製スピーカーによる高音質なオーディオシステム等、ラグジュアリー感を全面に押し出した車内となっている。

編成及び車種[編集]

EVT1000M[編集]

1号車に位置する制御電動車。運転席を備えており、乗客は6名。

EVT1000C[編集]

2号車及び最後部に位置する付随車。車掌室を備えており、車掌にもブレーキを操作する運転台が備わっている。

EVT1000T[編集]

中間付随車。台車には電磁ブレーキが備わっており、運転手と車掌の操作で電気指令による制動が可能になっている。

その他[編集]

専用の発車メロディーが存在し、春の訪れを感じさせるような雰囲気に仕上がっている。

車体とカウルは簡単に分離させることができ、期間限定ペイント等も対応できるようになっている。

全席指定席であるため、つり革などの設備はない。

行先表示機にはフルカラーマトリクスLEDを採用し、アニメーションなども表示させることができる。