三次方程式(さんじほうていしき)とは、
の形で表される方程式である。
三次方程式の解の公式[編集]
実数を係数とする一変数の三次方程式
の解は
![{\displaystyle x={\begin{cases}-{\displaystyle {\frac {b}{3a}}}+{\sqrt[{3}]{q+{\sqrt {q^{2}+p^{3}}}}}+{\sqrt[{3}]{q-{\sqrt {q^{2}+p^{3}}}}}\\-{\displaystyle {\frac {b}{3a}}}+\omega {\sqrt[{3}]{q+{\sqrt {q^{2}+p^{3}}}}}+\omega ^{2}{\sqrt[{3}]{q-{\sqrt {q^{2}+p^{3}}}}}\\-{\displaystyle {\frac {b}{3a}}}+\omega ^{2}{\sqrt[{3}]{q+{\sqrt {q^{2}+p^{3}}}}}+\omega {\sqrt[{3}]{q-{\sqrt {q^{2}+p^{3}}}}}\\\end{cases}}}](https://ja.wikipedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/164effa3b55114773ac11213018fe3e675b60e23)
ただし、
この解法は、自著アルス・マグナにて解法を公表した人物の名を冠して「カルダノの公式」として知られる。
公表に至る経緯はアルス・マグナを参照
解の公式の導出[編集]
を解く。
立方完成[編集]
まず両辺を a で割ると、

展開公式より
なので、
を
に変形することで
の形を作り出すのを目標とする。
見やすくするため
とおいて変形すると、

ただし
とおいた。
カルダノの方法[編集]
ここで
と置換し、 u と v の対称式の形に整える。

これを満たすためには、以下の2式が成り立てばよい。

二次方程式の解と係数の関係より、
を2解に持つ方程式は
だとわかる。
二次方程式の解の公式より
を求める。 u, v は対称なので、片方を
、もう片方を
と決めてよい。

ここから u, v それぞれ3個の立方根が得られる。
これらを1の立方根
を用いて表すと以下のようになる。
![{\displaystyle u={\begin{cases}u_{0}={\sqrt[{3}]{q+{\sqrt {q^{2}+p^{3}}}}}\\u_{1}=\omega u_{0}\\u_{2}=\omega ^{2}u_{0}\\\end{cases}},\ v={\begin{cases}v_{0}={\sqrt[{3}]{q-{\sqrt {q^{2}+p^{3}}}}}\\v_{1}=\omega v_{0}\\v_{2}=\omega ^{2}v_{0}\\\end{cases}}}](https://ja.wikipedia.org/api/rest_v1/media/math/render/svg/67f66a332b9e86aa89fd9c91eb2146ee6bf1c3a3)
ここで
を満たす
は以下の3種類に絞られる。

以上より、求める三次方程式の解
は以下のように表される。

関連項目[編集]