三次関数
三次関数(さんじかんすう)とは、引数の3乗、2乗、1乗、定数の和として書ける関数のことである。
概要[編集]
読んで字のごとく、三次の関数である。二次関数と比べてはるかに難しいので、直接扱うことは避け、扱いやすい関数に近似することが多い。 また、高校数学Ⅱで扱われる微分や積分との親和性が高く、センター試験やその後継である共通テストにおいても出題されることがある。
定義[編集]
という式(ただし)で書ける関数のことを、三次関数と呼ぶ。
性質[編集]
三次関数の引数をx軸に、像をy軸にとってグラフを書くと、点対称な曲線になる。の場合、上昇⇒下降⇒上昇という形になるが、傾きが緩やかになるだけで下降しない三次関数もある。三次関数を、形状が分かりやすい様な形で書くと、以下の様な式になる。
この時、を中心に点対称なグラフになる。の時は上昇する関数で、の時は下降する関数。周辺では、の時は上昇し、の時は下降する。また、は変曲点であり、の時は傾きが最も緩やかな、の時は傾きが最も急な点となっている。
用途[編集]
多項式で書けない関数を、テイラー展開を用いて近似した時に出現することがある。例えば、三角関数の場合、付近で次の様な近似が成り立つ。
三次方程式の解き方[編集]
三次関数=0の形になっている方程式を、三次方程式と呼ぶ。実数上での三次方程式は、1~3個の解を持つ。複素数上での三次方程式は、3個の解を持つ。
三次方程式を代数的に解く(四則演算とべき乗根を用いて、代数的に正確に解く)には、簡単に見つかる場合はまず解を一つ見つけ、因数分解で全ての解を求めることが多い。一方、簡単に見つけられない場合でも、カルダノの公式を使うことができるが、複雑であることから理論計算に向かず、あまり用いられない。通常は、数値計算で近似的に解を求めるか、二次関数や三角関数など解きやすい関数に近似して近似解を求めることが多い。例えばの周辺に限れば、通常は無視できるほど小さい量であり、ほぼゼロとみなすことで三次関数を二次以下の関数で近似することも可能である。ただし、近似することでどの程度の誤差を生じさせているかは評価が必要。
脚注[編集]