高等学校必履修科目未履修問題
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高等学校必履修科目未履修問題(こうとうがっこうひつりしゅうかもくみりしゅうもんだい)とは、一部の高等学校で発覚した必履修となっているが、大学受験に関係しない科目の授業を大学受験に関係する授業へ振り替え、結果として卒業に必要な単位を満たせず留年が危ぶまれる生徒が多数いることが判明した問題である。
概要[編集]
必履修科目の未履修は1999年から熊本県、広島県、兵庫県で発覚していたが、大きく報じられたのは2006年10月に富山県立高岡南高等学校で明らかになったことがきっかけである。1994年から世界史を含む2科目が必履修となった地理歴史科(地歴科)、2003年に必修科目として新設された情報科、その他、理科総合、家庭科、芸術、保健などの履修不足判明に留まらず、教育委員会へは正しい授業計画を提出していたが、実際は受験に関係のない授業を受験に関係する授業に振り替えた裏カリキュラムの使用や、教科の名前と中身がまるで異なる学校もあった。
主だった事例[編集]
- 必履修教科・科目を履修させなかった(例:そもそも時間割上に世界史の授業が存在しなかった)
- その科目に定められた単位より少ない時数しか履修していなかった(例:1週間に2回は開講の必要がある受験に関係のない授業を1回しか開講しなかった。)
- 学習指導要領に定められた選択履修と合わない選択履修を行っていた
- 時間割に書かれている科目の内容と全く違う内容を行っていた(例:時間割上は世界史でも実際の授業は数学)
- 中高一貫校で、高校で履修するべき内容を中学校の科目で履修したとみなしていた
- ある教科の免許を持っていない教諭がその教科を教え、履修済みとしていた
- 課外授業を履修に振り替え
- A・B科目のある授業でB科目の教材を利用して授業を行った
未履修が発覚した学校の多くは補習の受講で卒業を可能にすると発表したが、発覚した時期がよりにもよって大学受験目前の時期だったため受験に関係のない科目の補習を長時間受けなければならないこの措置に生徒からは怒りの声があがった上、生徒によっては卒業に到底間に合わない時間の補習を受ける必要もあったため、超法規的措置で規程よりも少ない補習時間、レポート提出などを条件に卒業を認めた。