高木隆郎

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高木 隆郎(たかぎ りゅうろう、1929年 - )は、児童精神科医。医療法人高木神経科医院顧問。元京都大学医学部助教授。

人物[編集]

日本の児童精神医学の草分け[1]。1957~1958年に京都市市街地の小中学校で長期欠席児の精神医学的実態調査を行ない、1959年に共著「長欠児の精神医学的実態調査」(『精神医学』1巻6号、1959年6月)として発表。日本で最初に心理的な背景から不登校状態にある児童・生徒の存在をあきらかにした[2][注 1]。1965年に共著「学校恐怖症の典型像(Ⅰ)」(『児童精神医学とその近接領域』6巻、1965年9月)で、これらの症状を神経症として位置付けて学校恐怖症と呼んだ[2]。その後、登校拒否は社会問題であり、精神医学的な枠組みで捉えるのは間違いだとする立場に移行している[4]

核戦争防止・核兵器廃絶を訴える京都医師の会、IPPNW京都府支部副代表(~2009年)、代表世話人(2009~2011年)[5][6]

門下生に小澤勲[7]門眞一郎[8]がいる。

著書[編集]

  • 『児童精神科のお話――自閉症、多動、登校拒否、うつ病、自殺を診る』(合同出版、1985年)

編書[編集]

  • 『児童精神医学への挑戦――自閉症を考える』(ローナ・ウイング共編、岩崎学術出版社、1988年)
  • 『自閉症――幼児期精神病から発達障害へ』(星和書店、2009年)
  • 『自閉症と発達障害研究の進歩(Vol.1~Vol.10)』(M.ラター、E.ショプラー共編、日本文化科学社、1996年-2006年)

訳書[編集]

  • モード・マノーニ著、新井清共訳『症状と言葉――子供の精神障害とその周辺』(ミネルヴァ書房、1975年)
  • M.ラター、L.ハーソブ編、監訳『最新児童精神医学』(ルガール社、1982年)
  • A.R.Nicol編集、監訳『言語発達とその障害』(医学書院、1983年)
  • アーサー・H.クリスプ著、石坂好樹共訳『思春期やせ症の世界――その患者と家族のために』(紀伊國屋書店、1985年)
  • J.K.ウィング、B.モリス編、監訳『精神科リハビリテーション――イギリスの経験』(岩崎学術出版社、1989年)

脚注[編集]

[編集]

  1. 同年に発表された佐藤修策「神経症的登校拒否行動の研究―ケース分析による―」(『岡山県中央児童相談所紀要』第4集)が日本で最初の不登校に関する論文だとする場合もある[3][4]

出典[編集]

  1. 門眞一郎「自閉症の人に寄り添う(来た道 行く道)」京都新聞社会福祉事業団
  2. a b 吉村順子「不登校生徒指導としての保護者支援の在り方について : 不登校を見守るということ」『鶴見大学紀要 第4部 人文・社会・自然科学編』第54号、2017年3月
  3. 山下一夫『生徒指導の知と心』日本評論社、1999年
  4. a b #35 高岡健さん: 不登校50年証言プロジェクト 全国不登校新聞社(2018年3月8日)
  5. 反核京都医師の会が第29回総会 高木隆郎氏が新代表世話人に 京都保険医新聞第2691号(2009年5月18日)
  6. 反核医師の会 IPPNW京都府支部が第31回総会 京都保険医新聞第2787号(2011年6月5日)
  7. 小澤勲編『ケアってなんだろう』医学書院、2006年
  8. ☆第1分冊 真面目な私を知りたい方のために 児童精神科医 門眞一郎の落書帳

外部リンク[編集]