鉄道警察隊
鉄道警察隊(てつどうけいさつたい)とは、鉄道利用者の安全を守ることを役割とする警察部隊のことである。略称は鉄警隊(てっけいたい)。
概要[編集]
鉄道警察隊は、昭和62年(1987年)4月1日の旅客鉄道会社発足と共に、沖縄県を除いた各都道府県の警察本部に設置された組織である。
主な役割として痴漢、スリ、置き引き、踏切事故、人身事故の際の人命救助である。鉄道でこれらの犯罪予防あるいは捜査を務め、痴漢やスリを専門とする警察官も存在する。列車に乗り込んで乗客の様子を監視する「警乗」という任務もあるほか、踏切での警備、早朝のラッシュ時の見張り、人身事故が起きた際の管轄警察署との連携しての捜査などが仕事として挙げられる。
21世紀に入って鉄道絡みの犯罪で深刻化しているのが、通勤ラッシュ時における痴漢であり、車内での迷惑行為や痴漢行為は社会問題化しており、女性が安全に乗車するために女性専用車両が都市部の各路線に導入され、これにより鉄道警察隊への痴漢相談の件数は激減したが、逆に痴漢冤罪問題などが発生し、こちらは問題が多いといわれる。鉄道警察隊では痴漢撲滅のため様々なキャンペーン活動をしており、痴漢被害に関する演劇や痴漢に遭った際に自らの身体を守る護身術の講習などがあり、特に後者は列車内ばかりではなく夜道などでも使えるため、学校や会社関係者などから講習依頼されることもある。
歴史[編集]
戦前は鉄道公安官吏と呼ばれ、専務車掌などが兼任で任命され、司法警察職員として、鉄道内の公安業務を担った。
国鉄時代は鉄道利用者の安全を守る部署として公安本部が置かれ、専任の鉄道公安職員[注 1]が全国の国鉄沿線に配置されたが、昭和62年(1987年)3月31日で、鉄道公安業務は国鉄から離れ、公安職員は特例で警察官に転身したり、一般の鉄道職員になった。
注[編集]
- ↑ 鉄道公安官と呼ばれるが、国鉄職員なので、通称である。