謝依旻

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謝依旻(しぇい いみん、 Hsieh Yi Min、1989年11月16日 - )は囲碁棋士。六段。黄孟正九段門下。日本棋院東京本院所属。名誉女流本因坊・名誉女流名人・名誉女流棋聖の称号を得る。女流棋士タイトル獲得数ランキングでは通算27期で第一位を誇る。女流棋士史上最多記録である。ニックネームは「赤い惑星」[1]

経歴[編集]

  • 1989年11月16日、台湾苗栗市に生まれる。実家は牛肉麺屋。
  • 1994年、囲碁を始める。兄が通っていた囲碁教室についていって一緒に教えてもらったという[2]
  • 2002年、来日し日本棋院の院生となる。院生時代から「大器」の呼び声が高かった。
  • 2004年、入段する。14歳4ヵ月でのプロ入りは、当時の女流棋士最年少記録。
  • 2009年、前年に獲得・保持したタイトルの全ての防衛に成功する。
  • 2010年、史上初の女流三大タイトルの三冠独占を果たした(女流本因坊、女流名人、女流棋聖)。
  • 2016年3月4日、平安女学院大学で、プロ棋士が学生らに碁を指導するなど交流会に参加する[3]
  • 2016年(平成28年)3月14日、平安女学院大学客員教授[4][5]
  • 2018年1月、女流棋聖のタイトルを、上野愛咲美に敗れて失う。同年12月、女流本因坊戦で藤沢里菜に1勝3敗で敗れ無冠となる。

昇段歴[編集]

  • 2004年(平成16年)。入段(14歳4ヶ月で入段。当時の正棋士採用女流棋士最年少記録)、
  • 2005年(平成17年)、二段
  • 2006年(平成18年)、三段
  • 2008年(平成20年)、四段
  • 2010年(平成22年)、五段
  • 2012年(平成24年)、六段。

棋戦歴[編集]

  • 2006年(平成18年)、第1回広島アルミ杯若鯉戦優勝(非公式戦)、第8期女流最強戦優勝(初タイトル)☆17歳1ヶ月・女流棋士史上最年少タイトル獲得記録(当時)
  • 2007年(平成19年)、第26期女流本因坊戦で矢代久美子女流本因坊を3-0で破りタイトル奪取 ★17歳11ヶ月・史上最年少女流本因坊
  • 2008年(平成20年)、第20期女流名人戦で加藤啓子女流名人を2-0で破りタイトル奪取。☆女流本因坊とあわせ二冠達成 ★18歳3ヶ月・史上最年少女流名人。第2回大和証券杯ネット囲碁レディース優勝、第27期女流本因坊戦で鈴木歩四段を3-1で破りタイトル防衛
  • 2009年(平成21年)、第21期女流名人戦で知念かおり四段を2-1で破りタイトル防衛。2連覇。第3回大和証券杯ネット囲碁レディース優勝。第28期女流本因坊戦で青木喜久代八段を3-1で破りタイトル防衛。3連覇。
  • 2010年(平成22年)、第13期女流棋聖戦で梅沢由香里女流棋聖を2-0で破りタイトル奪取、第22期女流名人戦で向井千瑛四段を2-0で破りタイトル防衛、第29期女流本因坊戦で向井千瑛四段を3-0で破りタイトル防衛。
  • 2011年(平成23年)、第14期女流棋聖戦で梅沢由香里女流棋聖を2-0で破りタイトル防衛、第23期女流名人戦で向井千瑛四段を2-1で破りタイトル防衛。4連覇。☆通算タイトル獲得数「11」女流棋士史上最多記録、第30期女流本因坊戦で向井千瑛四段を3-1で破りタイトル防衛、☆5連覇達成により「名誉女流本因坊」有資格者となる
  • 2012年(平成24年)、第24期女流名人戦で向井千瑛四段を2-0で破りタイトル防衛。☆5連覇達成により「名誉女流名人」有資格者となる。第31期女流本因坊戦で奥田あや三段を3-0で破りタイトル防衛。6連覇。
  • 2013年(平成25年)、第16期女流棋聖戦で青木喜久代女流棋聖を2-0で破りタイトル奪取。第25期女流名人戦で奥田あや三段を2-0で破りタイトル防衛。6連覇。
  • 2014年(平成26年)、第17期女流棋聖戦で青木喜久代女流棋聖を2-0で破りタイトル防衛。3月13日、第26期女流名人戦で加藤啓子六段を2-1で破りタイトル防衛[6]
  • 2015年(平成27年)、第18期女流棋聖戦で小西和子八段を2-0で破りタイトル防衛、第27期女流名人戦で鈴木歩六段を2-0で破りタイトル防衛 ☆8連覇、第2回会津中央病院杯準優勝、第34期女流本因坊戦で藤沢里菜女流本因坊を3-2で破りタイトル奪取(女流3冠)
  • 2016年(平成28年)、第19期女流棋聖戦で吉原由香里六段を2-0で破りタイトル防衛。第28期女流名人戦で青木喜久代八段を2-1で破りタイトル防衛 ☆9連覇。第3回会津中央病院杯・女流囲碁トーナメント戦で[[青木喜久代]八段を破り初優勝。第1回扇興杯女流囲碁最強戦で向井千瑛五段を破り初代優勝者に(女流5冠)
  • 2017年(平成29年)、第20期女流棋聖戦で牛栄子初段を2-1で破りタイトル防衛、☆5連覇達成により「名誉女流棋聖」有資格者となる。第2回扇興杯女流囲碁最強戦準優勝

第36期女流本因坊戦で藤沢里菜女流本因坊を3-2で破りタイトル奪取。

受賞歴[編集]

  • 平成18年 棋道賞女流賞
  • 平成19年 棋道賞女流賞
  • 平成20年 棋道賞女流賞、棋道賞新人賞
  • 平成21年 棋道賞女流賞
  • 平成22年 棋道賞優秀棋士賞、棋道賞女流賞
  • 平成23年 棋道賞優秀棋士賞・女流賞・特別賞
  • 平成24年 棋道賞女流賞 ☆7年連続受賞
  • 平成27年 棋道賞女流賞
  • 平成28年 棋道賞女流賞
  • 平成28年 通算300勝達成 ☆26歳7ヶ月での達成となり女流史上最年少記録

人物[編集]

  • 趣味はヒップホップダンス[7]
  • 学生からの勝負の世界はつらくないかの質問に謝女流名人は「負けて落ち込む日もあるけど、子供のころから好きだった囲碁を仕事にできるのは幸せ」と返答した[3]
  • 台湾で応援してくれている人たちのために結果を出すプレッシャーがあり、院生時代は苦しんだと語る[2]

著書[編集]

  • 『世界一わかりやすい打碁シリーズ 謝依旻の碁』毎日コミュニケーションズ (2010/11/25)、ISBN-10: 483993682X
  • 『謝依旻の挑戦―厳しい戦いの道のり (日韓精鋭棋士囲碁双書) 』棋苑図書 (2015/6/1)、ISBN-10: 4873653207

脚注・リファレンス[編集]