発車メロディの切り方

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

ここでは、首都圏エリアのJR東日本発車メロディの切り方について解説する。

概要[編集]

JR東日本の首都圏エリアでは、一般に車掌が駅に備え付けてある発車メロディスイッチを操作して発車メロディを鳴らし始めるが、それを切るのも車掌である。車掌が発車メロディを切るタイミングは信号との調整やその駅の乗降客数によって左右されるが、実際のタイミングはその車掌に委ねられる。故に、発車メロディを切るタイミング、すなわち発車メロディの切り方にはいくつかの種類があるのだ。

フルコーラス[編集]

ある発車メロディをきちんと最後まで流しきってから切ったとき、その発車メロディはフルコーラスであったという。乗降客が多いときや始発駅からの出発であったりするときは比較的これになりやすい。あるいは完全に列車が遅れた際も鳴ることがある。

フルコーラスの発車メロディはその発車メロディ本来の芸術性が最も発揮されるものであり、発車メロディを蒐集する者もこれを録音するのが目的だったりする。しかし、長い曲であったり駅の利用者が少なかったり、或いはその両方であった場合にはフルコーラスで鳴る確率は極めて低くなる。また、太平洋の海岸での生命の誕生大都会の雑踏の中で聞こえるチャイムなど、未だに何秒(何ターン)でフルコーラスになるのか、あるいは完全にループしていてそもそもフルコーラスが存在しないか判明していないものもある。

なお、中にはどんなに乗降客数が少なくても必ずフルコーラスを流すという強い意思を持つ車掌もいる。我孫子支線など運転本数も利用者数も多いとは言えない路線で録音を試みる場合にはこのような車掌の列車に乗り込めているか否かが重要であったりする。

又、福島駅や郡山駅など、フルが確定で流れる放送バージョンもある。これは、発車に余裕があるからであったが、中央線で最近、立川式と言う、スイッチを切っても発車メロディが流れる放送形式が登場した。

途中切り[編集]

ある発車メロディがなっている途中で切られてしまったとき、その発車メロディは途中切りされたという。発車メロディが長い場合や乗降客が多くなかった場合にはこうなる。

これにはすぐに発車できるという大きな利点があるが、音楽としての発車メロディの芸術性が損なわれる、などといった欠点もある。

なお、ご当地メロディで途中切りを行う車掌についてはそのメロディの元ネタやテーマを車掌が嫌っているのではないかと乗客に思われることがある。例えば、横浜DeNAベイスターズの球団歌である「熱き星たちよ」が発車メロディとして採用されている関内駅で途中切りを行った車掌は「ベイスターズが嫌いなのでは」と思われてしまうことがあるのである。また、逆に人が少ないのにその駅のご当地メロディを最後まで鳴らしきった車掌はその元ネタ・テーマを好んでいると思われることもあり、例えば関内駅であれば「ベイスターズのファンなのではないか」と思われることがあるのである。

途中切りは大きく以下の4つに分類できる。

一般的な途中切り[編集]

最も一般的な途中切り。乗客の乗り降りが途絶えたことを確認した車掌が即座にスイッチの「OFF」を押すことでこうなる。

動物公園切り[編集]

原曲の歌詞、メロディの流れの区切れ目で切る方法。例えば東武動物公園駅の場合は東武動物公園♪の部分のみ流され、ぞ~うさんに きりんさんに…の部分はカットされる。そのほか東京テレポート駅2番線(踊る大捜査線のテーマ曲「Rhythm And Police」)等でよく見られるほか、余韻が残ったまま同じメロディが繰り返される「2ターンで1コーラス」「3ターンで1コーラス」などの場合でも多くみられる。一般的な途中切りよりも歯切れの良い印象になる。

即切り[編集]

途中切りのうち、発車メロディが鳴り始めてすぐに切ってしまうことを即切りという。また、この時車掌がONを押した後すぐにOFFをおすことで、発車メロディが流れないことがある。これを無音切りという。人の少ない駅からの発車のときや、列車の遅れを取り戻すときにはよくあるが、ラッシュ時に都会の真ん中でこれが起こることもあり、そういった時には駅員が放送をするか列車の車外アナウンスを用いるかして間をつなぐことが多い。

余韻切り[編集]

途中切りのうち、発車メロディが終わり近くまで流れたのに最後の余韻で切られてしまうことを余韻切りという。余韻を削ったといえどそれなりの長さはあるので一般的な余韻切りと同じくらい耳にするが、やはり最後の余韻を削ったがために芸術性が損なわれた感が否めない。

なお、スプリングボックスなど、余韻がか細く長い曲ではほとんどがこれになる。また、朝の静けさでは余韻が長く、曲の末尾に3回の小さな音色の響きがある。

打ち返し[編集]

打ち返しは「メロディを鳴らし始める→切る→再び鳴らし始める→切る」という一連のテクニックである。一度目の「切る」は即切りであることが多いが、途中切りやフルコーラスの場合もある。

ATOS導入路線の駅をはじめとして多くの首都圏のJR線の駅では発車メロディスイッチの「OFF」を押して切ることでドア閉め放送が流れるようになっているが、即切りからの一度目の「切る」で乗客への呼びかけとしてのドア閉め放送を起こし、そのドア閉め放送がなっている最中に再びメロディを流し、ドア閉め放送が鳴り終わったあとにもう一度の「切る」でメロディを止め、本来の目的のドア閉め放送を行うのだ。

その他[編集]

JR東日本では車掌のスイッチにより切られるが、あらかじめタイミングを設定して自動で発車メロディが流れる鉄道会社も多い。この場合、途中で切られることはなく常にフルコーラスで流れ、曲が終わったタイミングでドアが閉められる。

他社の例[編集]

JR東海や名古屋鉄道の乗降促進音[編集]

JR東海名古屋鉄道乗降促進音において、前者は即切り、フルコーラス、途中切り等様々だが、後者はフルコーラス1回のみであることが多い。

関連項目[編集]