牛海綿状脳症
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牛海綿状脳症(うしかいめんじょうのうしょう、Bovine Spongiform Encephalopathy, 略語: BSE)は、牛の脳の中に空洞ができ、スポンジ(海綿)状になる病気である。「ぎゅう かいめんじょう のうしょう」とも読む。一般的には狂牛病(きょうぎゅうびょう)として知られ、1986年にイギリスで初めて発見された。
プリオンと呼ばれるたんぱく質が異常化し、中枢神経などに蓄積、脳組織がスポンジ状となる牛の病気のことである。潜伏期間は4年から6年とされ、運動失調などの症状を示し、治療法は現在のところは皆無である。厚生労働省によると1992年には世界でおよそ3万7000頭の感染牛が確認されたが、肉骨粉の使用が禁止されると激減し、2004年以降は年間1000頭以下になっているという。2015年以降は飼料が原因ではないとされる非定型BSEを含め、年間4頭から7頭で推移している。
直接牛同士で感染が起こることはないが、異常プリオンは感染した牛の脳や脊柱などの部位(特定危険部位と呼ばれる)に蓄積されるため、摂取した個体に感染(伝達)されることがある。人間にも伝達する可能性があり、人間のものは変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(variant Creutzfeldt-Jacob disease,vCJD)と呼ばれる。牛海綿状脳症と同じく治療法はなく、患者はほぼ確実に死亡する。
外部リンク[編集]
- 小澤義博 牛海綿状脳症(BSE)の現状と問題点(1-4) J. Vet. Med. Sci. 63(4), 63(10), 64(2), 65(1)(日本獣医学会内)
- 国立精神・神経センター神経研究所疾病研究第七部(高次脳機能障害を呈する疾患としての「プリオン病」に関する基礎研究・治療法開発を目的とした研究、及び機能性疾患に関する研究)のページ
- 農水省の独立行政法人 農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究所 牛海綿状脳症(BSE)のページ
- 「牛の個体識別情報検索サービス」 農水省の独立行政法人 家畜改良センター
- 厚生労働省「牛海綿状脳症(BSE)関係」ホームページ
- 英国の食品安全管理局 Food Standards Agency(FSA)の牛海綿状脳症対策関連の情報と最新ニュース(英語)
- OIEとBSE関連の国際基準について(PDFファイル)
- EFSAによるGBR評価
- 牛海綿状脳症について