浅野弘毅

浅野 弘毅（あさの ひろたけ、1946年 - ）は、精神科医。東北福祉大学せんだんホスピタル名誉院長。精神保健指定医。

人物

宮城県生まれ。1971年東北大学医学部卒業。以来、精神医療・精神医療改革に尽力。1972年から1982年まで東北大学医学部精神医学教室で診療を行う傍ら学生の教育に従事。1982年から1993年まで仙台市デイケアセンター所長、太白保健所長等の要職を務め、仙台市の保健福祉行政に参画。1993年仙台市立病院神経精神科部長として老人性痴呆疾患センター（現・認知症疾患センター）設置、病棟開設に参画。2004年から東北福祉大学教授として精神保健福祉士、臨床心理士、看護師等を目指す学生の教育に従事。その傍ら認知症介護に関する研究・研修の中核的機関として全国3か所に設置されたセンターの一つである認知症介護研究・研修仙台センター（社会福祉法人東北福祉会）の副センター長として研究及び介護指導者の育成に従事。2008年6月1日開設の東北福祉大学せんだんホスピタルに準備過程から参画し、初代病院長を務めた。

宮城県精神医療審査会委員（1988～2012年）、同会長（2012～2016年）、仙台市精神保健福祉審議会委員（1996～1999年、2002～2005年）、同会長（2013～2016年）、日本精神神経学会理事、日本デイケア学会副理事長、日本社会精神医学会理事等も歴任。雑誌『精神医療』（編集=「精神医療」編集委員会、発行=批評社）編集委員。2018年3月に一般財団法人宮城県公衆衛生協会主催の安西・野家記念第37回公衆衛生功労者を受賞。

著書に『精神医療論争史――わが国における「社会復帰」論争批判』（批評社［メンタルヘルス・ライブラリー］、2000年）などがある。

略歴

• 1971年3月、東北大学医学部医学科卒業
• 1972年4月、東北大学医学部精神医学教室助手
• 1978年4月、東北大学医学部精神医学教室講師
• 1982年8月、仙台市精神衛生相談所長
• 1983年4月、仙台市デイケアセンター所長
• 1989年4月、仙台市太白保健所長
• 1993年1月、仙台市衛生局参事
• 1993年4月、仙台市立病院神経精神科部長兼老人性痴呆疾患センター室長
• 2004年10月、東北福祉大学総合福祉学部教授兼認知症介護研究・研修仙台センター副センター長
• 2006年4月、東北福祉大学健康科学部保健看護学科教授兼認知症介護研究・研修仙台センター副センター長
• 同年、東北福祉大学せんだんホスピタル開設準備室室長
• 2008年4月、東北福祉大学せんだんホスピタル院長兼東北福祉大学健康科学部保健看護学科教授
• 2017年4月、東北福祉大学せんだんホスピタル名誉院長

著書

• 『精神科デイケアの実践的研究』（岩崎学術出版社、1996年）
• 『精神医療論争史――わが国における「社会復帰」論争批判』（批評社［メンタルヘルス・ライブラリー］、2000年）
• 『痴呆性高齢者のこころと暮らし』（編、批評社［メンタルヘルス・ライブラリー］、2001年）
• 『統合失調症の快復――「癒しの場」から』（批評社［メンタルヘルス・ライブラリー］、2005年）
• 『新版 精神保健』（石井厚監修、相澤宏邦、斎藤秀光、白澤英勝共著、医学出版社、2007年／第2版、2010年／第3版、2016年）
• 『ゆらぐ記憶――認知症を理解する』（批評社［メンタルヘルス・ライブラリー］、2008年）
• 『うつ病論――双極II型障害とその周辺』（高岡健共編、批評社［メンタルヘルス・ライブラリー］、2009年）
• 『自殺と向き合う』（岡崎伸郎共編、批評社［メンタルヘルス・ライブラリー］、2009年）
• 『高齢者の妄想――老いの孤独の一側面』（阿保順子共編、批評社［メンタルヘルス・ライブラリー］、2010年）
• 『死の臨床――高齢精神障害者の生と死』（松本雅彦共編、批評社［メンタルヘルス・ライブラリー］、2011年）
• 『声と妄想――臨床精神病理論文集成』（医学出版社、2014年）
• 『精神科デイケア学――治療の構造とケアの方法』（エム・シー・ミューズ、2015年）
• 『こころの診療雑記――精神科医の聴心記』（批評社、2016年）
• 『精神医療運動史――精神医療から精神福祉へ』（批評社［メンタルヘルス・ライブラリー］、2018年）

外部リンク

• 浅野 弘毅 (Hirotake Asano) - マイポータル - researchmap
• 浅野 弘毅 | 研究者情報 | J-GLOBAL 科学技術総合リンクセンター
• 浅野　弘毅 - (株)岩崎学術出版社 精神医学・精神分析・臨床心理学の専門書出版