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PID制御
PID制御とは、P(比例)要素・I(積分)要素・D(微分)要素を含む制御である。古典制御の一種であり、フィードバック制御の一種である。
各要素[編集]
P要素[編集]
Pは比例(英:Proportional)を意味している。
そのときの偏差に比例した信号を送る。
基本的な制御をする要素である。
伝達関数は1の実数倍で記述される。
開ループ伝達関数の位相は変化しない。
I要素[編集]
Iは積分(英:Integral)を意味している。
それまでの偏差を積分した信号を送る。
定常偏差を減らす要素である。
伝達関数は1/sの実数倍で記述される。
開ループ伝達関数の位相を遅らせる効果がある。
D要素[編集]
Dは微分(英:Derivative)を意味している。
そのときの偏差を微分した信号を送る。
応答を高速化する要素である。
伝達関数はsの実数倍で記述される。
開ループ伝達関数の位相を進ませる効果がある。
各制御[編集]
PID制御はPIDすべてを含むが、そうではない制御もある。
P制御(比例制御)[編集]
P要素のみを含む制御である。
定常偏差が残りやすい。
伝達関数は1の実数倍で記述される。
開ループ伝達関数の位相は変化しない。
I制御(積分制御)[編集]
I要素のみを含む制御である。
定常偏差が小さくなる。
伝達関数は1/sの実数倍で記述される。
開ループ伝達関数の位相を遅らせる効果がある。
PI制御[編集]
P要素とI要素のみを含む制御である。
定常偏差が小さくなる。
基本的なPI制御の伝達関数は、1の実数倍と1/sの実数倍の和で記述される。
開ループ伝達関数において、低周波の位相を遅らせゲインを増大させる。
ある周波数以下でゲインが一定になる、位相遅れ補償器というものがある。
PD制御[編集]
P要素とD要素のみを含む制御である。
応答が速くなる。
基本的なPD制御の伝達関数は、1の実数倍とsの実数倍の和で記述される。
開ループ伝達関数において、高周波の位相を進ませゲインを増大させる。
ある周波数以上でゲインが一定になる、位相進み補償器というものがある。このとき、微分は不完全微分になる。
PID制御[編集]
P要素とI要素とD要素を含む制御である。
定常偏差が小さくなり、応答が速くなる。
基本的なPID制御の伝達関数は、1の実数倍と1/sの実数倍とsの実数倍の和で記述される。
開ループ伝達関数において、低周波の位相を遅らせゲインを増大させ、高周波の位相を進ませゲインを増大させる。
多くの制御対象はPID制御まで考えれば、制御可能だと言われている。