殺すぐらいなら殺されよう。

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

殺すぐらいなら殺されよう。(ころすぐらいならころされよう。)とは、2015年6月7日に「憲法9条改悪阻止 総がかり行動委員会」を名乗るアカウントがTwitter上に投稿したポスターである。しかし、そのような名前の団体は実在しないことが発覚、投稿主はアカウントを削除した。

ポスター[編集]

拡散されたポスターは縦長で、上側3分の2強に大きく画面いっぱいに載せてある福島第一原子力発電所の写真を背景に、右に「殺すぐらいなら/殺されよう。」と白字で縦書きで書いてある。左上には青い吹き出しがあり、その中に白字・横書きで「STOP!/戦争法案」と書かれている。その下には白文字で、絶対的な無抵抗・非暴力主義を貫くことを勧める文言が記載されている。さらに写真が途切れた下側には赤い帯があり、そこに白文字で自衛隊は違憲という趣旨の文が書かれている。さらにその下は、白地に灰色の文字で「安保法制」「憲法改正」「集団的自衛権」に反対する旨が書かれており、最後では「今すぐ自衛隊を解体せよ!」とまで言い切っている。

背景[編集]

このころは安倍晋三内閣によって平和安全法制の国会審議が進んでいたが、徴兵制につながる、自衛隊をアメリカの戦争に無制限に引っ張り出すことになる、などの理由で、野党や平和主義団体から猛烈な非難を受けていた。彼らは、この法制を戦争につながるという理由で「戦争法案」と呼んでいた。一方で本法制に賛成する側からは、安保法制へのこのような批判は的外れなものに感じられ、「反対のための反対」を繰り返す野党に対し、不満が高まっていた。2015年6月に入ると、本法案の衆議院通過にめどがつき始め、賛成側と反対側の意見の応酬はさらに強まっていった。そんな中で投稿されたのが、このポスターである。

投稿者[編集]

この一件についてまとめたtogetterまとめ[1]によれば、投稿者は「憲法9条改悪阻止 総がかり行動委員会」を名乗っており、ユーザーIDは@9jyoukaiakusoshであった。このポスターを投稿したのは同まとめによると、2015年6月7日15時33分18秒であり、「拡散希望」とされていた。直後に改めて拡散を促すツイートを投稿した。しかし、このアカウントが行ったツイートは、返信を除くとこの2件だけであり、プロフィール欄には何も記載がなく、メンバーや連絡先も全く不明であった。名称が類似する戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会は、この「憲法9条改悪阻止 総がかり行動委員会」とは無関係である旨のツイートを投稿した。結局正体が不明のまま、アカウントは6月8日23時半ごろまでに削除された。

結局このポスターを投稿したのが何者だったのか、どのような意図でこのようなポスターを投稿したのかは2021年現在になっても謎のままである。しかし、ネットデマ速報では、「反戦団体への悪感情を促す目的」であったとみている[2]。その後も、あえて過激な意見を持ち出すことによって安保法制・憲法改正に反対する者への反感を煽る、安保法制賛成派による投稿であったのではないかとの説が有力になっている。

脚注[編集]