梅干

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梅干(うめぼし)とは、ウメの果実を塩蔵した後に、天日乾燥させて再び塩漬けした漬物である。
塩分濃度が 18%から20%とされるため、減塩ブームのために 8% 以下のものが多く流通しているが、そんなものを「梅干」と称するのは片腹痛い。
近年では「ちゃんとした梅干」を買おうとすると、1kg で五千円くらいする。

概要[編集]

(「青紫蘇」ではない)紫蘇の葉を梅酢に漬けてから、その(色のついた)梅酢と一緒に漬けることによって赤くなる。

作り方[編集]

正統派の(塩分15%から18%以上の)梅干は、失敗しようがないほど簡単である。なにしろ塩分濃度が15%以上なので、腐りようがない。
梅酒用の青梅よりも熟して、薄赤くなった「梅干用の梅の実」を用いる。

  1. ヘタを爪楊枝などで取り去ってから一晩水に漬けて虫などを除く。
  2. 重量比で二十%程度の食塩を加え、容器に入れて重しを載せてしばらく放っておくと水が上がってくるので、その時点で重石は除いてよい。これを梅酢という。
  3. この頃に紫蘇が出回るので、その葉をちぎって塩揉みし、水気を切ってから梅酢に漬ける。この工程は省いてもいい。
  4. そのまま梅雨明けまで放っておいて、梅雨が明けて晴天が続くようになったら、梅酢を別容器に保存して「土用干し」をする(「三日三晩」が一般的とされる)。あとは甕(じつのところ、発酵は嫌気性でも好気性でもないので、容器は特に選ばない。甕は風情でしかない)などに保存する。

食味など[編集]

の供とするには、塩分濃度が15% 以上ないと、食味がよろしくない。紫蘇を梅酢に漬けて加えることも多いが、梅酢に色がついてしまうため、調味料としての梅酢として再利用しづらいという欠点があるため、紫蘇は塩揉みしてあく抜きをしたのちに絞ってから梅酢を加えて保存するのも一つの手段ではある。
梅酢は新生姜や茗荷などを漬けるといった利用法がある。胡瓜などもよい。

その他[編集]

殺菌作用があり、弁当に入れられることが多い。日露戦争では大量の梅干しが軍によって買い付けられたので国内では梅干しが不足した。
禁忌として、「船釣りの際に、梅干のおにぎりを持ってゆくといけない」というものがある。梅干は船酔いに効くという効果があるというが、釣果が上がると船酔いするほうがおかしいので、「験が悪い」からだとされる。
「鰻と梅干は食べ合わせが悪い」というのも、やはり験担ぎである。「土用の丑の日には“う”のつく食べ物がよい」という話があり、「鰻」「梅干」「うどん」などがよいとされるが、「守り袋を複数持っていると、神様が喧嘩する」というので避けられるように、「一緒には食べない」という理由がある。

脚注[編集]

関連項目[編集]