木村哲人

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木村 哲人(きむら のりと、1933年 - 2004年)は、映画・テレビの録音技師[1]

人物[編集]

茨城県新治郡出身[2]茨城大学電気工学科卒業[1][3][4]

幼少期から科学技術や武器に興味を持つ。日本共産党の党員・シンパではなかったが、友人の党員に見せられた武器教本『球根栽培法』の幼稚さを批判したところ、1951年12月に日共地区軍事委員会から爆弾製造についての協力要請を受けた。日共党員の前で爆弾実験を行った結果、1952年6月に中央軍事委員会直属の武器研究員となり、秘密のアジトで爆弾開発に従事した。日共の軍事路線の転換後、大学を中退、1年間映画の撮影助手を経て、1957年に映画会社の録音技師となった[5]東映東京撮影所、日本テレビなどで映画、テレビ番組制作を担当[1]。1989年に著書『テロ爆弾の系譜――バクダン製造者の告白』を刊行し、日共軍事委員会時代の劇的な体験を告白した。同書で『球根栽培法』は旧陸軍中野学校と米軍情報機関の合作であると指摘している。

曾祖母の父は裁判官の飯田恒男。飯田は明治期に加波山事件で逮捕された鯉沼九八郎の妻・時子から爆弾製造法を聞き、子孫に伝えさせている。また飯田は銀座木村家の創業に関わったが、同店の木村安兵衛と木村哲人は無関係である。

著書[編集]

  • 『テロ爆弾の系譜――バクダン製造者の告白』 三一書房、1989年/第三書館、2005年
  • 『音を作る――TV・映画の音の秘密』 筑摩書房、1991年
  • 『テレビ・映画秘密の音づくり――子ネコのオナラはなんの音?』 KKベストセラーズ(ワニ文庫)、1992年
  • 『発明戦争――エジソンvs.ベル』 筑摩書房(ちくまプリマーブックス)、1994年
  • 『テレビは真実を報道したか――ヤラセの映像論』 三一書房、1996年
  • 『「キムラ式」音の作り方』 筑摩書房、1999年
  • 『真空管の伝説』 筑摩書房(ちくまプリマーブックス)、2001年
  • 『水戸黄門は“悪人"だった』 第三書館、2002年
  • 『こうすれば、あなたもTVに出れる』 第三書館、2002年
  • 『戦争中は"極楽"だった――記憶ファイル・村の1940年代』 第三書館、2003年
  • 『TV・芸能ギョーカイ用語早わかり――ギョーカイ人も知らないギョーカイ用語ルーツ集』 第三書館、2003年

脚注[編集]

  1. a b c テロ爆弾の系譜 木村 哲人(著) - 第三書館 版元ドットコム
  2. 木村哲人『テロ爆弾の系譜――バクダン製造者の告白』三一書房、1989年、17頁
  3. 真空管の伝説 / 木村 哲人【著】 紀伊國屋書店ウェブストア
  4. 水戸黄門は“悪人”だった / 木村 哲人【著】 紀伊國屋書店ウェブストア
  5. 木村哲人『テロ爆弾の系譜――バクダン製造者の告白』三一書房、1989年、197-200頁

外部リンク[編集]