木になるリニューアル
木になるリニューアル(木になるリニューアル)とは、東急電鉄が2015年から実施している駅を木質化するプロジェクトのことである。
概要[編集]
東急電鉄では、木材の積極的な利用によるイメージアップや材料生産時のCO2の排出削減を行うために、木材を使用した形での駅のリニューアルを行うことになった。このリニューアル工事のことを木になるリニューアルと称している。
元来木材は燃えやすいということもあり、鉄道駅などにあった木造駅舎はコンクリートや金属を使用したものに置き換わる傾向にあった。この状態が変わるきっかけになったのが、2010年に制定された公共建築物等木材利用促進法である。この法律では日本の林業の復権を目標に設定され、法制定後に設計された公共の建物には木材をふんだんに使うことが示された。
こうした動きに東急は素早く反応。2011年に池上線戸越銀座駅のリニューアル計画が持ち上がると木材を使用した形でのリニューアルを行う方向へ進む。2015年から本格的にリニューアル工事が開始され、翌2016年12月に竣工。このリニューアルは利用者からの好評を得ており、現在戸越銀座駅を含めて計3駅が実施された。
工事内容[編集]
使用する木材は多摩地域で伐採された多摩産材を使用している。東京都内で生産された木材を使用することにより、材木製造時のCO2の排出削減および東京都における持続的な森林整備と林業振興が図られている。
最初に竣工した戸越銀座駅では、壁・屋根・ベンチを木質化したほか、ホーム屋根の延長、バリアフリー化・トイレの建て替えなども併せて行われた。この結果、CO2の排出量を約170t削減することができた。
リニューアルを行った駅[編集]
このほか、2020年に駅舎の橋上化が行われた池上駅でも新駅舎で木をふんだんに利用した構造となっている。
受賞[編集]
東急電鉄は戸越銀座駅のリニューアルにより以下の賞を受賞した。
- ウッドデザイン賞2016 建築・空間・部材部門入賞
- 第2回木材活用コンクール農林水産大臣賞・木質開拓賞
- 第6回木質建築空間デザインコンテスト一般建築部門賞
- 2017年度木材利用優良施設コンクール林野庁長官賞
- 第51回日本サインデザイン優秀賞(関東地区)
- 2017年鉄道建築協会特別賞