旧寛永寺五重塔
ナビゲーションに移動
検索に移動
旧寛永寺五重塔(きゅうかんえいじごじゅうのとう)は東京都台東区上野公園内にある、1639年(寛永16年)再建の五重塔である。初代五重塔は1631年(寛永8)年に土井大炊頭利勝の寄進により建立されたが、1639年(寛永16年)花見客の失火により焼失したため、日光東照宮を大改修した甲良豊後守宗広らが再建を命じられ、同年再建された。
重要文化財に指定されている。1958年(昭和33年)寛永寺より東京都に寄付されたため、現在の所有者は東京都である。屋根「瓦」は最上層(第5層)のみ「銅板葺(銅製)」で葺かれており、他の層の屋根は瓦葺である。屋根の垂木は平行に組まれた繁垂木であるが、最上層は扇状となっている。日光東照宮類似する江戸期の建築様式の特徴が表れている。現存する五重塔の中では池上本門寺の五重塔(1607年創建)に次いで、東京都内で2番目に古いものである。
心柱が塔の土台の上に建てられおり、塔の頂上にある青銅製の相輪まで貫いている「地上式」構造である。江戸時代の塔には「懸垂式」の建築構造が多いが、構造だけ見れば8世紀の様式ということになる。
上野動物園の中にあるため、塔を拝観するためには拝観料ではなく、入園料を払う必要がある。しかし隣接する上野東照宮からは、柵や樹木があるため見やすくないものの、無料で見ることができる。 塔の第1層の四方に釈迦・薬師・阿弥陀・弥勒仏が祀られていた。現在はこの4体の仏像は東京国立博物館に寄託されている。