日大ボート部員自殺事件
日大ボート部員自殺事件(にちだいボートぶいんじさつじけん)とは、2013年10月24日に日本大学ボート部合宿所で当時3年生の男子部員が何らかの事情により自殺した事件である。
経緯[編集]
2013年10月24日朝、日本大学ボート部3年生の男子部員が、埼玉県戸田市の合宿所の個室(自分の部屋)で、首をつって自殺していた。自殺している男子部員を他の部員が見つけ、市内の病院に搬送されたが、死亡が確認された。室内に遺書はなく、埼玉県警は現場の状況から自殺と判断した[1]。
自殺した男子部員の身内の者が、産経新聞の取材に対し「部内でトラブルがあった」と男子部員が自殺する前に話していたと聞いており、遺族側は大学側に調査をするよう働きかけた[1]。
それを受け、日本大学側はいじめやトラブルがなかったか部員から聞き取り調査をし、学外の弁護士3人による特別調査委員会を設置した[1]。
調査の結果「部員へのいじめはなかった」と結論づけ報告書を日本ボート協会に提出したことが同月28日に公式発表し分かっている[1]。
11月半ばまでの報告書によると、「からかったり、ちょっかいを出す“いじり”はあったが、許容される限度を超えて、精神的な負担を与える程度に至ったとみることはできない」との調査結果であった[1]。また、自殺の原因については「全く不明としかいいようがない」とし、「大学に法的責任はない」とした[1]。
日大ボート部は全日本大学選手権(全国大会)の男子総合で2006年から8連覇中の強豪校で、自殺した男子部員は、4年生引退後の同月20日に副主将に指名されたばかりだった[1]。死亡前日までトレーニングをしていたといわれている[2]。
自殺した男子部員の遺族は「調査結果について遺憾に思う」とコメントしている[1]。
また、許容される限度を超える“いじめ”はなく、原因不明としていることに遺族は、「“いじり”と“いじめ”のどちらで定義するか別として、いじめの存否については疑う余地もない」と「いじり」と表現したことに疑問を示した[1]。
大学側の今後の対策として、大学に置かれている各競技部に対して「指導者が部員の競技以外の悩みにも対応できるようにコミュニケーションを取る」「合宿所内で部員が1人になる状況をなくす」ことなどの指導をおこなった[1]。
ボート部教職員の反応[編集]
ボート部のコーチは、「(NNN)そういう様子は全くなかった。とにかくボートが好きな男でした。誰よりもよく練習する男でした」と答えている[2]。
また、監督は「(産経新聞)話は入っていない。厳しい指導もしていない[1]」「(NNN)このような事態になり、ショックを受けている。いじめに関しては把握していない[2]」と返答している。
脚注[編集]
外部リンク[編集]
- “日大ボート部員自殺 3年男子が合宿所で首つり”. スポニチ. (2013年10月28日)
- “遺族「いじめ、疑う余地ない」 日大ボート部員自殺”. 朝日新聞. (2013年11月29日)
- “日大ボート部員が自殺か 大学が調査開始”. スポニチ. (2013年10月27日)