大原展郎
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日本共産党中央委員会理論政治誌『前衛』に4つの論文を発表したこと以外は業績が確認できないため、共産党系の心理学者の筆名だと思われる。『前衛』1975年4月号に発表した「障害児教育に敵対する「理論」――「知能公害」を呼号する渡部淳批判」では、「がっこの会」・渡部淳は公教育解体を企てており、「障害児」という概念を認めないという主張は非科学的・非人間的な観念論で、その上無責任な立場だと批判した[1][3]。津田道夫は大原と渡部の論文を受けて『障害者教育研究』5号に「再び父母の学校選択権の擁護――『前衛』2月号大原論文と『福祉労働』3月号渡部発言によせて」を発表した。「がっこの会」は大原と津田からの批判と1979年度からの養護学校義務化を契機に『続知能公害』(1977年)を刊行した[4]。「がっこの会」は大原がマルクスやレーニンを引用して公教育解体は犯罪的だと主張したことに対し、その引用の意図とは裏腹にレーニンも公教育解体を主張していると反論した[5]。
論文[編集]
- 「障害児教育に敵対する「理論」--「知能公害」を呼号する渡部淳批判」『前衛』1975年4月号(381号),p95-112
- 「障害児教育の撹乱者--養護学校義務制粉砕を叫ぶ非人間的主張を斬る」『前衛』1977年12月号(418号),p181-197
- 「養護学校教育の義務制実施を前に--義務制実施の意義と政府の対応の問題点を解明」『前衛』1979年2月号(434号),p212-233
- 「障害児教育の現状と今後の基本方向--心身障害者対策基本法制定十周年に際し」『前衛』1980年4月号(449号),p206-233
出典[編集]
- ↑ a b がっこの会編『続知能公害』現代書館、1977年、49-50頁
- ↑ 高橋沙希「がっこの会による医療化批判と本質主義批判」『研究室紀要』第44号、東京大学大学院教育学研究科基礎教育学研究室、2018年7月
- ↑ 吉田昭久「「障害児」の人間発達」『教育研究所紀要』11号、茨城大学教育学部教育研究所、1979年3月
- ↑ 『続知能公害』Ⅲ-Ⅳ
- ↑ 『続知能公害』57-59頁