城興寺 (芳賀町)
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城興寺(じょうこうじ)とは、栃木県芳賀郡芳賀町下延生1641に存在する寺院である。宗派は天台宗。
概要[編集]
祖母井市街の南西およそ3キロの五行川の左岸の水田地帯に存在する寺院である。
この寺院については開基、開山、その他の経歴がほとんど不明である。というのも、天正12年(1584年)に火災があってその際に記録のほとんどが焼けてしまったからである。ただ、その際に焼けずに残った本尊の延生地蔵菩薩木像(延生地蔵尊・のぶじぞうそん)は、鎌倉時代初期の有名な運慶の作品と言われるため、少なくともこの寺は鎌倉時代初期には存在していたことになる。
実を言うと、この寺は寺そのものより、運慶が作ったとされる延生地蔵尊のほうが有名である。伝説によると、昔、天皇が皇子の誕生を願った際に霊験を現したので、それ以降は安産・子育ての神様として信仰を集めるようになったという。そして安土桃山時代、蒲生氏郷の嫡男である蒲生秀行が宇都宮城主になった際、近隣の寺社を武力をもって破却したが、この際に名を知られていた延生地蔵尊を持ち去ろうとした。地蔵尊自体は1尺7寸(およそ51センチ)ほどでしかないのに、蒲生の兵士たちはなぜかこの木像を持ち出せず、秀行は全軍を動員して地蔵尊を強制的に宇都宮城内に移した。すると、宇都宮城が地震に見舞われたり災異が続いたため、秀行は恐れて元の場所に木像を返したという。
毎年8月23日の夜には境内で納涼盆踊り大会、8月24日には縁日が開催されて本尊が開帳されている。