地形図

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地形図とは、地形を重視して描いた地図のことである。

概要[編集]

地図には様々な種類があるが、地形が分かる様な形で描いた地図が、地形図である。陸地、海、川、湖が分かる様に描くのは勿論のこと、高低が分かる様に等高線が引かれ、標高勾配がだいたいわかる様になっている。

表示物[編集]

  • 等高線
    等高線の表示こそが、地形図が地形図たる所以。50000分の一の地図では20m間隔、25000分の一の地図では10m間隔、勾配に直すと1cmが40‰になる様に描かれている。太さは0.08mmだが、5本間隔で太くなり、太い等高線は太さ0.15mmで表示される。
  • 三角点、水準点など
    三角点など、測量で標高を求めた点については、地形図にも標高が表示される。
  • 道路
    25000分の1の地図の場合、幅19.5m以上の道路(4車線以上の道路)は、実際の縮尺で表示される。細い道になると、実際の縮尺で描くのは現実的で無いので、見てわかる程度の大きさで表示される。例えば幅5mの道路は、縮尺通りであれば0.2mm幅となるが、実際には0.4mm幅で太く描かれる。
  • 鉄道
    25000分の1の地図の場合、JRの路線は0.4mm幅、JR以外は0.3mm幅である。25000倍すると10m、7.5mであり、複線の線路相当の幅で描かれていると考えて良い。複線・単線の区別もある。なお駅は長さ3mm以上、高さ0.8mm以上(路面電車の場合2mm、0.5mm以上)で描かれ、概ね4両編成が停まれる複線区間の駅は実縮尺通りに表示されることになる。
  • 役所、学校など
    それぞれ個別の記号があり、建物に重ねて描画される。
  • 田、畑、森林など
    それぞれ個別の記号があり、土地に重ねて描画される。

地形図の種類[編集]

  • 現行の地形図
    • 20万分の一地形図
      日本全国分が作られている。日本全国を横幅1度(80-100km)、縦幅40分(約74km)間隔の図枠で区切り、それぞれの図枠の地形を58cm×46cmの紙に表示している。東経整数度の経線、および北緯31,34,37,40度の緯線はそれぞれ図枠の境界と一致している。概ね、一つの図枠が県相当の広さになっている。余談だが、明石市は、有名な東経135度の線で2つの図に区切られている上に、北緯34度40分の線も市中心部のすぐ北を通っており、市中心部の広い範囲を一つの紙図で見ることが難しい。
    • 5万分の一地形図
      1kmを2cmに縮小した地形図。日本全国分が作られている。日本全国を横幅15分(20-25km)、縦幅10分(約19km)間隔の図枠で区切り、それぞれの図枠の地形を58cm×46cmの紙に表示している。東経・北緯の整数度は全て図枠と一致していて、例えば東経135度・北緯35度の「日本のへそ」も4つの図の頂点になっている。
    • 2万5千分の一地形図
      日本全国分が作られている。日本全国を横幅15分(10-12km)、縦幅10分(約9km)間隔の図枠で区切り、それぞれの図枠の地形を58cm×46cmの紙に表示している。東経・北緯の整数度は全て図枠と一致している。各図が、概ね市町村単位になっている。現在、全国規模で作られている地形図の中では最も縮尺が小さい。
    • 1万分の一地形図
      都市部でのみ作られている。日本の多くの地域で存在しない。
  • 過去の地形図
    • 五千分の一東京図測量原図
      1880年代に、東京の中心部を対象に製作された5000分の1の地図。
    • 二万分の一迅速測図原図
      1880年代に、関東地方を中心に制作された2万分の1の地図。フランス式で、彩色がなされている。
    • 二万分の一迅速測図
      上記迅速測図原図の焼き直し。ドイツ式を採用し、白黒に変更された。以降の地形図は、ドイツ式がベースになっている。
    • 二万分の一仮製地形図
      1880年代に、近畿地方を対象に製作された。明治の市町村大合併前の市町村界が描かれており、史料価値が高い。
    • 二万分の一正式地形図
      一部地域において製作された。主に明治以前は、2万分の1の縮尺が採用されていた。

関連項目[編集]

脚注[編集]