受信障害対策中継放送

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受信障害対策中継放送(じゅしんしょうがいたいさくちゅうけいほうそう)とは、山間部や都市部の高層建築密集地域において、地上波テレビ放送の受信障害を解消するための小規模な中継局である。

概要[編集]

テレビ放送の電波が高層ビルなどに遮られるなどして受信障害が起きている地域において、山の上やビルの屋上などに中継局施設を整備し、受信障害の発生している地域に向けて電波を発射する中継局で、アナログテレビ放送ではマルチパスによるゴースト対策としても整備された。地形的な理由による障害対策局は当該地域の住民等によって組織されるテレビ組合や自治体が免許人となり、建築物による障害対策局は障害の原因となる建築物の所有者が免許人となる。
対象地域の世帯は中継局に向けてアンテナを建て、テレビを視聴する。カバーするエリアは一般的な中継局と比べて極めて狭く、空中線電力(出力)が50mw以下と小さいのが特徴で、アナログテレビ時代にはマイクロ波使用のSHF63~80チャンネルが割り当てられていた。

有線を利用する共同受信施設と異なり、カーナビ携帯電話等に搭載された地上波テレビ視聴機能が使えるなどのメリットがある。

SHFテレビ中継局[編集]

アナログテレビ放送の時代は現在のデジタル放送のような厳密な送信パターンの設定が困難な上、チャンネル帯域が逼迫していた等の事情もあり、既存のチャンネル帯域に影響しない上、障害エリアに対してピンポイントで電波を送信できるセンチメートル波(SHF)を使用した中継局が都市部を中心に整備された。SHF中継局は障害の原因となる建築物の所有者が免許人となって中継局を運用していた。共同受信設備の完成でデジタル放送完全移行前に廃局となった中継局もあるが、残った局もアナログ放送終了により全て廃局となって現存しない。

SHF中継局を受信するには専用のパラボラアンテナとコンバータが必要。なお受信アンテナは衛星放送の受信には転用できない。

以下はSHFテレビ中継局の一覧である。特記無い限り、2011年7月24日に廃局となっている。