共同受信施設

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共同受信施設(きょうどうじゅしんしせつ)とは、1本のアンテナを地域や集合住宅の入居者といった複数の世帯で共有するための設備である。共聴施設とも呼ばれ、これをより発展させたものがケーブルテレビである。

概要[編集]

山間部の集落では親局送信所や中継局からの電波が地形などの条件によって集落全体に届かないが、山の上など高所であれば安定的に受信できるというケースが見られる。そこで電波が安定的に受信できる場所に大型の受信アンテナを設置し、集落全体へケーブルを敷設してテレビ・ラジオ等を視聴できるようにするのが共同受信施設である。
テレビ草創期の1960年前後は、生駒山しかテレビ放送送信所の無い近畿地方で共聴施設が多く設けられた。

ビルや高架の陰などで電波が安定的に受信できないといった理由で都市部でも共聴施設が整備されることもある。

共聴設備はケーブルによる配信が多いが、場所によっては受信障害対策中継放送によって出力が非常に小さい中継局を整備し、電波による送信を行う場合がある。

なお、地上波デジタルテレビ放送への完全移行に際し、アナログ放送にしか対応しない共聴設備を改修する必要に迫られ、デジタル化への対応が困難な共聴設備が多い地域では自治体が光ケーブルを敷設して近隣のケーブルテレビ局へ運営を委託したり、公営ケーブルテレビ局を開始したりした。