北川村モネの庭マルモッタン
北川村モネの庭マルモッタン(きたがわむらもねのにわまるもったん)は、高知県安芸郡北川村野友に在る庭園。
概要[編集]
フランス、ジヴェルニーにあるモネの庭を高知県北川村に再現したもの。世界でモネの庭と正式に名乗ることがモネ財団から許可されているのは、ジヴェルニーにある本物のモネの庭とここしかない。
2000年4月に開園。再現に当たっては、フランスのモネの庭の顧問(前管理責任者)ジルベール・ヴァエの指導が有った。この土地は、柚子ワインを生産するワイナリー誘致のためのものであったが、バブルの崩壊により用途が未定となっていたもの。[1]。
沿革[編集]
この土地はいわゆる工業団地で、柚子ワインを生産するワイナリー誘致予定であったが、バブルの崩壊により用途が未定となっていたものである[1]。そもそも丘陵地と言うより山に近い場所を整地し, 普通車が辛うじてすれ違えるような取り付け道路で、ワイナリーを誘致し現実としてワイン製造が効率的に出来たのかはなはだ疑問が残る立地条件である。むしろゴルフ場として整地された感すらある。
ワイナリーの誘致失敗により代替案としてクロードモネのモネの庭を誘致することを検討し1996年村職員が渡仏した[2]。
職員の誠意が通じたとしか思えないが、1998年フランスよりモネの庭の管理責任者ジルベール・ヴァエが北川村を訪れる。フランスから苗を輸入してを睡蓮の育成をはじめる[2]。1999年10月マルモッタン美術館館長アルノー・ドートリヴより公園の名称をつけてもらうことになった[2] 。
2000年4月19日に無事、開園した[2]。開園直後は来場客数も順調に伸び、2001年1月31日に高知県観光振興課の行った観光客の動態調査(2001年1月31日発表)によると、2000年1年間で最も観光客を動員したのは、北川村「モネの池」マルモッタンで192,240人で、2位は龍河洞185,309人、3位は高知城懐徳館の179,598人であった。200年4月19日開園し、わずか8ヶ月でトップに立った[3]。また、2001年4月、開館一周年で観客動員数22万人を達成した[4]。22万人というと大変多い数に見えるが1日あたりに直すと600人強である。全てが大人で700円の入場料を全員から確保出来ても42万円強の売上にしかならず、「カフェ モネの家」でしか食事が出来ないようにすることで売上を確保するビジネスモデルで有ったと思われる。
2001年には高知国体訪問途中に紀宮様来館した。[5]。2003年6月18日には「モネの庭・マルモッタン友の会」発足が発足した[6]。2008年3月1日には「水の庭」に続いて「光の庭」開園し規模を一段と拡大した[7]。同年、6月4日には四国知事会議開催をモネの庭で開催した[8]。同じく同年、8月30日に開園以来の入園者が100万人を達成した[9]。
2010年4月11日には開園10周年式典を駐日フランス大使、モネの庭館長を迎え実施した[2] [10]。 また、2011年にはフローラルホール開館し一段と規模を拡大していった[11] [12]
しかし、2011年3月の定例村議会にて経営状況についてモネの庭の財務状況について議員より質問がある。副村長より指定管理者制度を平成18年度より行い平成21年度まで、概ねマイナス3,000千円を基準にして上下で累積の処分利益(3,000千円の損失)で来ているとの回答がある。副村長からは高知県外での認知度不足が原因と分析し回答している。 [13]。また、高知県観光振興部の『平成26年県外観光客入込・動態調査報告書』 [14]によると、開館当初と比較して大幅に来場客数が減少している。
2012年5月10日ジルベール・ヴァエ夫妻来園する。[15]また。2015年4月には開園15周年を記念して写真集「モネの庭 四季彩」発刊した。[16]
財政的に厳しい中、追い打ちをかけるように2016年5月19日にレストラン「カフェ モネの家」全焼する事態が発生した。再建は2017年と報道されており館内での飲食を「カフェ モネの家」に限定していただけに、大幅な収入減となったことは予想に難くない[17][18]。
2017年4月 - レストラン「カフェ モネの家」がリニューアルオープンした[19]。
利用情報[編集]
- 開園時間
- 10:00~17:00(最終入園は16:30)
- 2016年7月と8月の営業時間 9:00~16:00 (最終入園時間15:30)
- 休園日 - 毎週火曜日(祝日の場合は営業)、年末年始(12月26日から1月1日)
- 入園観覧料 大人(高校生以上)¥700 小人(小中学生)¥300 団体1割引(10名以上)2016年8月時点
- 駐車場約100台(うち大型バス6台)
施設[編集]
光の庭[編集]
モネが地中海を描いた作品をテーマに作られた庭[20]モネが地中海の光の中で描いた作品をテーマにした庭は、高知の海や山と出会ったことでさらに新しい風景となった[11]。
花の庭[編集]
四季毎に花の咲く庭[20]
水の庭[編集]
有名な青いスイレンが咲く池が有名で有る。写真愛好家が多く訪れている[20]。青い睡蓮は、日本に限ると北川村モネの庭マルモッタンと浜名湖ガーデンパークでしかみることが出来ない。 鉢植えの睡蓮を池の底に沈め、睡蓮と水面を綺麗に分離することで美しい光景を眺めることが出来る。
フラワーハウス[編集]
庭の植物の植栽を行っており、特に青い睡蓮の育成には力を入れている。季節ごとに植え替える花もこちらで栽培している。また、一部の花苗については販売もしている[11]。
フローラルホール[編集]
2011年にオープンした多目的ホール。ギャラリーを兼ねた展示スペースでモネの作品のレプリカやモネに関するものが展示されている。
ギャラリー・ショップ[編集]
ギャラリーはアトリエをモチーフにしている[20]
モネを中心にした名画の複製を展示。2015年に発行した写真集も販売されている。ショップではモネグッズや地元名産の柚関連の商品も販売している。
アクセス[編集]
周辺[編集]
脚注[編集]
- ↑ a b “慎太郎が広めた柚子とフランス芸術の香りが融合する村「北川村」”. 全国町村会. 2016年8月2日確認。
- ↑ a b c d e “開園までの話”. 北川村「モネの庭」 マルモッタン. 2016年7月31日確認。
- ↑ 「モネの庭 観客動員数が第1位」、『広報きたがわ No 439』、高知県北川村役場、2001年3月、 10頁。
- ↑ 「おかげさまで1周年 22万人が来園」、『広報きたがわ No 440』、高知県北川村役場、2001年4月、 2頁。
- ↑ “北川村 村勢要覧 恵み豊かなゆずの里(PDF)”. 北川村役場. p. 3. 2016年9月26日確認。
- ↑ 「モネの庭・マルモッタン友の会発足」、『広報きたがわ No 453』、高知県北川村役場、2003年7月、 5頁。
- ↑ 「モネの庭 「光の庭」開園」、『広報きたがわ No 500』、高知県北川村役場、2008年4月、 2頁。
- ↑ 「モネの庭 四国知事会議が開催されました」、『広報きたがわ No 503』、高知県北川村役場、2008年7月、 2頁。
- ↑ “イベントニュース 来園者100万人達成!!”. 北川村「モネの庭」 マルモッタン(株)きたがわジャルダン. 2016年10月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月30日確認。
- ↑ “広報きたがわ No.529 2010年9月号(PDF)”. 北川村役場. p. 7. 2016年9月26日確認。
- ↑ a b c “園内ガイド”. 北川村「モネの庭」 マルモッタン. 2016年9月25日確認。
- ↑ “広報きたがわ No.537 2011年5月号(PDF)”. 北川村役場. p. 4. 2016年9月26日確認。
- ↑ “広報きたがわ No.538 2011年6月号(PDF)”. 北川村役場. p. 4. 2016年9月26日確認。
- ↑ “平成26年県外観光客入込・動態調査報告書(PDF)”. 北川村役場. p. 7-8. 2016年9月26日確認。
- ↑ “広報きたがわ No.550 2012年6月号(PDF)”. 高知県観光振興部. p. 4. 2016年10月1日確認。
- ↑ “広報きたがわ No.584 2015年4月号(PDF)”. 北川村役場. p. 5. 2016年9月27日確認。
- ↑ “高知県北川村の「モネの庭」レストラン全焼 24日まで休業”. 高知新聞. 2016年9月25日確認。
- ↑ “高知県北川村モネの庭にカフェ 全焼したレストラン再建まで”. 高知新聞. 2016年9月25日確認。
- ↑ “カフェモネの家”. 2017年5月8日確認。
- ↑ a b c d モネの庭マルモッタン パンフレット