京都アニメーション

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京都アニメーション(きょうとアニメーション)は、京都府宇治市のアニメーション制作会社。

概要[編集]

下請け、制作協力を通じて様々なジャンルの作品に携わってきた経験を持っている。元請制作では、『AIR』 『CLANNAD』のような恋愛アドベンチャーゲーム原作の作品をはじめ、『フルメタル・パニック!』シリーズのような本格ロボット物、『涼宮ハルヒの憂鬱』のようなSF学園コメディー物、『氷菓』のような日常ミステリー作品、『らき☆すた』、『日常』のようなギャグ作品に至るまで幅広いジャンルをこなしている。日常芝居や生活描写の丁寧さが特徴としてあげられることも多く、『けいおん!』シリーズや『たまこまーけっと』に代表される。"日常アニメ"という新しいジャンルを大成したともいわれる。近年は学園ものの中でも、水泳や弓道(スポーツもの)、吹奏楽を題材にした部活動ものを手掛けることが多い。また、子供向けオリジナル作品として『パジャのスタジオ』を制作している。

作風[編集]

石原立也(京都アニメーション主監督)などの方針でアニメ的手法を極力用いないようにしている。例として「大きなたんこぶ」、「目の幅涙」、「大きな汗」、「おばけ(手が残像の様にぶれて見える一般アニメでよく使われる手法)」などの演出的なものである。一部例外もあり、内容が全体を通じてシリアス・欝展開だった『AIR』のスペシャル番外編として放送された『AIR IN SUMMER』などでは、「視聴者が番外編だけでも気楽に見れるように(TV版AIRスペシャル番外編『AIR IN SUMMER』 スタッフオーディオコメンタリーより)」などの監督の意向として使われた事もある。

キャスティング[編集]

自社制作作品の音響監督鶴岡陽太が担当する事が殆どである。

Key作品のキャスティングについては主人公以外のキャラクターは原作ゲームや東映版・ドラマCDの声優をそのまま起用するが、主人公の声優については東映版・ドラマCDと差別化を図るため異なる声優を起用している。その他の作品では、メインキャラクターの配役に新人・無名の声優を抜擢することが多い。

アドリブについても寛容であり、杉田智和白石稔福原香織は作中でよくアドリブと思しき台詞を発している。

ハイビジョン対応[編集]

マスタリング時点で『涼宮ハルヒの憂鬱』まではハイビジョン制作には非対応だったため、16:9の標準精細度(Standard Definition:SD)画質で制作していた。そのため2005年にBS-i(現・BS-TBS)で放送され、2006年にはBlu-ray Discで発売されるなど高精細度(High Definition:HD)での映像フォーマットが使用された『AIR』でも、SDで制作しアップコンバートでHD化したものであった。HDでの制作は2006年の『Kanon』からであるが(BS-iでの放送に先立って発売されたDVD『Kanon PRELUDE』内で京アニのスタッフがkanonからHD制作であることを言及した)、BS-iはHDの素材をSDにダウンコンバートした後、HDにアップコンバートし直したものを放送した。

経営[編集]

京都アニメーションは作品の制作に携わってきた中核スタッフが取締役となって会社を牽引していくなど、スタッフの権限を重視した経営をおこなっている。また、若手の登用にも積極的であり、スタッフの作品のクオリティへのこだわりや自由な発想については社内の大らかなムードのもと、広く認められている(DVDのスタッフコメンタリーの採用や数々の実験的な手法、若手の演出家の監督登用などがそれを物語っている)。

近年では自社作成アニメの『空を見上げる少女の瞳に映る世界』の企画プロデュースや、「京アニショップ!」の設立など、自社のカラーを前面に出した経営戦略を打ち出しており、新しいかたちでの制作会社の在り方の一つとなっている。2010年には自社を宣伝するテレビCMをアニメで作成し『けいおん!!』第9話で自らスポンサーとなり放映した(2008年に『CLANNAD AFTER STORY』内で、「京アニショップ!」で販売する商品のCMを放映したことはある。製作局であるTBSテレビ、京都アニメーション本社所在地の『けいおん!!』放送エリアである毎日放送中部日本放送でも確認)。