二重スリット実験
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二重スリット実験(にじゅうスリットじっけん、英:Double-slit experiment)とは、量子力学の入り口となる、実験の一つとされる。
概要[編集]
かなり質量の小さい素粒子の世界では、物質は「粒子としての性質」と「波としての性質」の両方の特性が現れるという、有名な実験のお話である。 粒子そのものが波なのか、粒子の存在確率が波なのかなどの解釈を巡って物理学者の大家たちが大論争を巻き起こした。(コペンハーゲン解釈)
用意するもの[編集]
実験[編集]
- 実験1
- 電子銃からスリットを通してスクリーンに電子を一個づつ発射する。
- 電子がスリットのどちら側を通るかは検出装置で検出する。
- 結果、スクリーンに干渉縞は現れない。
- 結論1:電子は粒。スリットの片方を通過している。
- 実験2
- 電子銃からスリットを通してスクリーンに電子を一個づつ発射する。
- 電子がスリットのどちら側を通るかは検出しない。
- 結果、スクリーンに干渉縞が現れる。
- 結論2:電子は波。スリットの両方を通過して干渉している。
2つの結論から導き出される答え[編集]
- 電子は観測されない間は、波として振る舞う。
- 電子は観測された瞬間に、波としての性質を失う。
- 観測するという行為自体が実験結果に影響している。
課題[編集]
- 実験結果に影響する程の観測方法に問題がある可能性。
関連作品[編集]
- 朝永 振一郎『光子の裁判』。主人公は「波乃光子」で、「その光子はどちらのスリットを通り抜けたのか?」が争点となる。多くの光子が二重スリットを通り抜けると干渉縞ができる、という現象をめぐる裁判仕立ての話である。