質量

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

質量(しつりょう)とは、物体の動かしにくさを表す物理量である。

概要[編集]

質量の単位は、現在においてはほとんどの国でメートル法キログラムが使用されるが、かつては尺貫法ヤード・ポンド法ポンドのように、各国で独自の単位が使用されていた。
質量は重力加速度に関係なく、場所に関わらず不変の値である。

重さとの違い[編集]

質量と似た概念として、重さ(おもさ)がある。日常生活においては両者は同じ意味で用いられることが多いが、物理学においては両者は厳密に区別される。
重さというのは、重力の影響をどれだけ受けるかを表した数値である。重さは質量に比例するのだが、比例定数、つまり重力加速度が天体によって異なるため、重さは天体によって異なる。よく「地球で体重60kgの人の体重は、月では6分の1の10kgになる」といわれるが、これは誤りである。kgは質量の単位であり、質量は天体によらず不変であるから、地球で体重60kgの人の体重は、月でも60kgである。あくまで、月の重力加速度が地球のそれの約6分の1なのである。重さの単位はニュートンであるから、正しくは「地球で重さ588Nの人の重さは、月では6分の1の98Nになる[注 1]」となる。同様に、無重力の宇宙空間では、地球上でどんなに重いものでもたやすく持ち運べるかのような誤解をする者がいるが、あくまでも重力加速度が0になることで重さが0になるだけで、質量は変わらないため、重いものを持ち運ぶのには地球上と同等の力が必要となる。

[編集]

  1. 国際単位系ではないキログラム重(kg重、kgf)の単位を用いると、「地球で60kg重の人の重さは、月では10kg重である」となり、しっくりいく。