中高年ひきこもり

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中高年ひきこもり(ちゅうこうねんひきこもり)は、定職がない40歳以上のひきこもりをいう。

内閣府調査[編集]

それまでの引きこもり調査は、39歳以下が対象であったが、内閣府は中高年(40~64歳)の引きこもり実態調査を2018年に始めて行った。調査結果によると中高年ひきこもりは全国に61万3000人(推計)であり、その半数が5年以上の長期ひきこもりであった[1]。「広義のひきこもり」では男性が4分の3を占める。ひきこもり期間は7年以上が約50%、3年から5年が21%である。生活保護は9%であった。

中高年ひきこもりのタイプ別の人数と割合は次の通りである。

  • ふだんは家にいるが、近所のコンビニなどには出かける(27.4万人)・・・・・・・・狭義のひきこもり
  • ふだんは家にいるが、自分の趣味に関する用事のときだけ外出する(24.8万人)・・・広義のひきこもり
  • 自室からは出るが、家からは出ない、又は 自室からほとんど出ない(9.1万人)・・・狭義のひきこもり


調査結果では、中高年ひきこもりが「ひきこもり」になった原因は、以下の順である。「広義のひきこもり」の40%は、悩み事を誰にも相談していない。

  • 「退職した」(36.2%)、
  • 「人間関係がうまくいかない」(21.3%)、
  • 「病気」(21.3%)、
  • 「職場になじめない」(19.1%)
  • 「就職活動がうまくいかない」(6.4%)

岩手県のひきこもり調査[編集]

岩手県は2018年6月から8月にかけて「地域住民の社会参加活動に関する実態調査」を実施し、全年代のひきこもりを調査した。民生委員・児童委員(3,339人)に対する郵送によるアンケート調査で行っている。調査により岩手県全体では,1616人のひきこもりがいることが判明した。男性が1,148人で約7割を占めることは、内閣府調査とほぼ同じ傾向であった。ひきこもり状態は「自宅からほとんど外に出ない」が42.8%を占める。次いで「買い物や自分の趣味の際には外出する」が32.4%であった。

家族構成は「同居家族あり」が82.7%、「一人暮らし」が16.2%であり、家族に支えられて生活していることが分かる。

年代別では全体の61.7%が中高年ひきこもりであった。ひきこもり期間は10年以上が37.1%で最多であり、次いで「(期間)不明」が20.3%、5年から10年未満が19.0%となっている。ひきこもりの長期化傾向がうかがえる[2][3]

中高年ひきこもりによる事件[編集]

  • 2018年札幌市のアパートの1室で82歳の母親と52歳の娘の遺体が発見された。2人の死因は栄養失調による衰弱死であった。母親が死亡した後、ひきこもりの娘が死亡したとみられる[4]
  • 2019年5月28日川崎市多摩区で51歳の中高年ひきこもりに刺されて、私立カリタス小学校の児童、外務省職員ら2名が死亡、17名の児童が重軽傷となった事件が発生した(登戸連続殺傷事件)。容疑者は事件現場で自らの首を刺し、死亡した。容疑者は10年以上の長期間に渡り定職に就かず、引きこもり状態のまま高齢の伯父夫婦の支援で生活していたという[5]
  • 2019年5月31日福岡市博多区板付でひきこもりの40歳代の息子が母親と口論となり、息子が母親を金づちで殴り意識不明の重体にさせ、妹の胸を刃物で刺し重体にさせた。息子は自分腹を刺し、同日に死亡した[6]
  • 2019年6月1日、中高年ひきこもりの傾向がある長男(44歳)を元農林水産省事務次官の父親(76歳)が東京都練馬区早宮の自宅で刺殺した。長男について加害者は「ひきこもりがちで家庭内暴力もあった」と供述している[7]

8050問題[編集]

  • 中高年ひきこもりが50歳を迎える頃に、その生活を支える親や親族は80歳になる。親や親族が介護状態になると生活が立ちいかなくなることが多い。親が高齢になると、解決のための気力が失われることもあると言われる。「8050(はちまるごーまる)問題」の名付け親は、大阪府豊中市社会福祉協議会福祉推進室長の勝部麗子と言われる[8]

偏見を持たない[編集]

中高年ひきこもりは犯罪予備軍という見方は、偏見ないし誤解とされる[9]。家以外の居場所や友人の誘いが脱出のきっかけになる。

同居していた両親の死をきっかけに支援機関の援助もあり中高年ひきこもりから脱出した56歳の男性の事例がある。若いころ運送会社で客のクレームなどで追い詰められ2年で退職し、40歳から引きこもりになったという[10]。ひきこもりが長引くと、自責の念から支援機関への相談が難しくなるという。

関連項目[編集]

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