修復歴
修復歴(しゅうふくれき)とは、交通事故などにより自動車の骨格部分に何らかの修復作業をした経緯があるものを指す言葉である。必ずしも事故による修復とは限らず、該当部分に修復の痕跡が見られれば修復歴があるということになるため、事故歴の有無とは違うことに留意が必要である。
概要[編集]
修復歴は中古車における売買時の重要な指標の一つとされており、販売時には告知義務が発生するなど価格にも大きく影響を及ぼすものである。骨格部分は以下の8か所であり、この部位を修復した形跡があれば修復歴ありとなる。
- サイドメンバー
- クロスメンバー
- インサイドパネル
- 各ピラー
- ダッシュパネル
- ルーフ
- フロア
- トランクフロア
なお、これは日本自動車査定協会などの統一基準であり、一般的なセダンタイプの車を想定したものである。
一般的に修復歴ありとされれば車としての商品価値は落ちたとみなされるため、修復歴がない車に比べて価値は下落する。そのため、事故を起こしていないのに屋根の上に雪の塊が落ちてきてルーフパネルを交換した、というケースでも問答無用で修復歴ありになってしまう。
修復歴に該当しないもの[編集]
修復歴はあくまで上記のような骨格部分を修理したかしていないかを判断するため、骨格に影響しないパネルのゆがみや足回りの交換などは判断していないことに留意が必要である。良心的な販売店の場合は「修理歴」として告知してくれる場合もあるが、実際にどのような修理が行われてきたかをすべて把握することは難しいのが現状である。また、全塗装なども修復歴に該当しないため、その塗装が純正のものか、全塗装であれば質は問題ないかなどを見極める必要があるとされている。
その他[編集]
90年代のスポーツカーや旧車などは修復歴ありでも値段が下がることは少なく、多少の値下がりはあっても誤差の範疇に収まってしまうものである。また、そういった車を求める人は修復歴ありだろうがメーター改ざん車だろうが、はたまた水没車ですらフルレストアして乗り続けようとするオーナーいるため、良くも悪くも価値が高止まりしていることもある。