下村努

下村努とはハッカー、コンピュータセキュリティの専門家、物理学者。アメリカのカリフォルニア州に住居を構え、FBIと共同捜査をしてクラッカーのケビン・ミトニックを逮捕に追い詰めた。

生い立ち

1964年10月23日に愛知県名古屋市で生まれ、1才で両親と一緒に米国へ渡り、アメリカのニュージャージー州で育つ。10才頃からコンピュータに興味を持ち始めてプリンストン大学工学部にある計算機の操作に没頭する。飛び級を何度もして12才には高校に上がり、様々な学問を勉強をして物理学と生物学に興味を持つ。下村は、その間15才の時期にコンピュータの能力を認められプリンストン大学の天文学部で計算機部門を担当することになり、後にアルバイトとして学部に雇用されたが、プリンストン高校では成績が悪く授業の姿勢が先生に嫌われ3年生で校則に違反して辞めさせられた。1982年、17才でカルフォルニア工科大学に入学ができ、その時期には物理学者のファイマンに2年間学習をしていたが、再び大学を中退。1984年の19才の時期にロスアラモス国立研究所へ移りブロウズ・ハスラッカーと共にラチス・ガス・オートメタ・モデルの基礎的な理論を研究した。1986年からロスアラモス国立研究所のコンピュータ部門で6年間もハッカー対策のプログラミングを学習した。又、物理学の研究者として教育を受けることになった。1995年頃、下村はUCSDのサンディエゴ・スーパーコンピュータ・センターにおいて主席特別研究員の役割を担っていた。2008年父がノーベル賞を授かった時期、下村は直ちにEメールを家族へ送りこれを嬉しがった。

ミトニック逮捕に協力

1995年に下村はジョン・マーコフと共にケビン・ミトニックを逮捕し、アメリカや日本をはじめ世界中にその名を知らしめた。当時からアメリカでもトップクラスのセキュリティ専門家だった。下村は日本国籍を持ち企業や軍や国安法会議に協力を要求されていた。連邦捜査局FBIが下村を知ったのはミトニック逮捕の2、3年前にサンディエゴ・スーパーコンピュータ・センターがFBIに捜査を求めた時期だった。下村は、その後FBIにも助言することとなった。1994年ミトニックは下村に対抗する為、下村の家のコンピュータからプログラムの実行ファイルを盗み、彼をバカにするメッセージを送った。IPアドレスの痕跡を追った下村は1995年2月13日ローリー市の空港近くのアパートにミトニックが居るのが分かり、2月15日下村と一緒に張り込みをしていたFBIがミトニックを捕まえた。同じ日にローリー市連邦地裁に質疑応答を行いミトニックは初対面の下村を見て「君の技術に脱帽した」と言った。その一連の事件は「ニューヨーク・タイムズ」から始まり全米のマスコミが取り上げた。「ニューズ・ウィーク」は「サイバースペース」で最も「権威を持つ人」のリストに下村を加えた。また、この一連の騒動はジョン・マーコフと下村の共著による雑誌「Takedown」にまとめられた。

FBIとの共同捜査の経緯

ケビン・ミトニックは仮出所中に、アイスブレーカーと言うハッカーに誘われ、情報を引き換えられる取り引きに応じるよう求められた。アイスブレーカーはSASのFBI向け電話サービスの情報と取り換える交渉を持ちかけるが、ミトニックと友のアレックスは罠だと気付いた。ミトニックは別人に成りすまして電話を使って製造者らを騙してシステムデータを入手する。そうして次々に別人に成りすまして対手を騙してSAS直通番号も手中に収めた。ミトニックはSASの端末画面をアイスブレーカーに見てもらうが、アイスブレーカーとは実はFBI潜入捜査官ランスであった。ランスが上官のロリンズ捜査官に出来事を通報する音声もミトニックは盗み聞きをしていた。2年後南カルフォルニアに隠れ潜んでいたミトニックは携帯電話の会社の大量なデータを盗んだ。ミトニックの追跡にいっそう真剣になるFBIは物理学者の下村がハッカー対策のプロとして「通信のプライバシー条例について連邦聴聞会」に誘われ、意見を言う。ミトニックは、このテレビを見て下村に怒りを感じ会社の社員に成りすまし、会社へ電話をかけたが偽っていると下村に気づかれる。さらに、下村の恋人の経歴を調べて名を名乗らず電話で下村を冷やかし、サンディエゴSCCのサーバーから下村に関する情報であった数千のファイルを盗んだ。ミトニックはそれらの情報にあった貴重なファイルに驚く。下村がコンピュータウイルスのワクチンに対抗するウイルスもあり、それはセキュリティを不能にし電気や電話等のインフラ設備に侵入できて支配できる可能性があるものであった。暗号化をされてミトニックは解読しようと試みる。又、ミトニックが隠れ潜んでいる友アレックスの家に捜査令状の要請が出たのもFBIのメールを盗み聞きをして知り、捜査をされる前に逃亡する。ロサンゼルス水道電気局にアクセスをし、FBIのギブソン捜査官が捜査をしたので、彼の家の水道や電気をシャットダウンした。下村へボイスメールに脅迫的な発言を録音した。家のパソコン「オシリス」に重要なデータはある。「オシリス」が唯一接続をしているサーバーは「エリエル」であって、その防御機能を突破されて侵入されている。クラッカーが「オシリス」に侵入をしてデータを探索した痕跡で下村はミトニックが犯行をしたと気付く。ミトニックは飛行機でシアトルへ逃げ、下村は「コンピュータの悪用及び侵入に関する会議」に誘われ質問の中心に立たされるが、ミトニックの友と共に傍聴席にいたアレックスに騒ぎ立てられる。下村が会議を終えて、ギブソンは彼に声をかけミトニックの逮捕の協働捜査を求めた。ギブソンはハッカーの文化を知りたいと言うのに下村は「自分はハッカーだがミトニックはクラッカー」と答える。協働捜査を断わるのに離れた場所から、さらにアレックスに騒ぎ立てられる。留守番電話に吹き込んであった脅迫の声はミトニックの友の彼だったと言ったら、ミトニックと対決を試みようと決意した。経緯が以上もあって、下村はFBIとミトニック逮捕の為に協働捜査を行われた。