三浦玲一

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三浦 玲一(みうら れいいち、1965年 - 2013年10月19日)は、アメリカ文学者。一橋大学大学院言語社会研究科教授。専門はアメリカ文学、ポストモダニズム[1]

1994年東京大学大学院人文科学研究科英語英文学専攻博士課程満期退学[2][3]。1994年名古屋大学言語文化部地域言語文化研究系講師、1996年助教授、1998年同大学国際言語文化研究科助教授[3]、2001年一橋大学大学院言語社会研究科助教授、2007年准教授、2010年教授[4]。2006年「ポストモダン・バーセルミ : 「小説」というものの魔法について」で博士(文学)(名古屋大学)[5]。2013年10月19日に病のため急逝[1]

長澤唯史によると、「ポストモダニズムとアイデンティティ・ポリティックスの融合を生涯の課題」とした[6]越智博美河野真太郎によると、三浦の仕事はアメリカのポストモダン文学研究(特にドナルド・バーセルミ)、グローバリゼーションと新自由主義をめぐる研究、ジェンダー・セクシュアリティやフェミニズムをめぐる研究の三つのフェーズに分けられる[7]

著書[編集]

単著[編集]

  • 『ポストモダン・バーセルミ――「小説」というものの魔法について』(彩流社、2005年)
  • 『真夏のいとしのメロディ1979-1990』(松柏社、2009年)
  • 村上春樹とポストモダン・ジャパン――グローバル化の文化と文学』(彩流社、2014年)

共編著[編集]

  • 『文化アイデンティティの行方――一橋大学言語社会研究科国際シンポジウムの記録』(恒川邦夫、古澤ゆう子、坂井洋史、鵜飼哲、中井亜佐子、武村知子共編著、彩流社[成蹊大学アジア太平洋研究センター叢書]、2004年)
  • 『からだはどこにある?――ポップカルチャーにおける身体表象』(日比野啓村山敏勝、吉原ゆかり共編著、彩流社[成蹊大学アジア太平洋研究センター叢書]、2004年)
  • 『イギリス映画と文化政策――ブレア政権以降のポリティカル・エコノミー』(河島伸子、大谷伴子、大田信良編、エグリントンみか、松本朗、太下義之共著、慶應義塾大学出版会、2012年)
  • 『文学研究のマニフェスト――ポスト理論・歴史主義の英米文学批評入門』(編著、遠藤不比人、大田信良、越智博美、河野真太郎、中井亜佐子、中山徹著、研究社、2012年)
  • 『ジェンダーと「自由」――理論、リベラリズム、クィア』(早坂静共編著、彩流社、2013年)
  • 『文化と社会を読む批評キーワード辞典』(大貫隆史、河野真太郎、川端康雄編著、近藤康裕、遠藤不比人、越智博美、秦邦生、鈴木英明、山口菜穂子、杉本裕代共著、研究社、2013年)
  • 『トマス・ピンチョン』(麻生享志、木原善彦編著、ブライアン・マクヘイル、長澤唯史、波戸岡景太、石割隆喜、巽孝之、大串尚代共著、彩流社[現代作家ガイド]、2014年)

訳書[編集]

  • ドナルド・バーセルミ『パラダイス』(彩流社[現代アメリカ文学叢書]、1990年)
  • ウォルター・ベン・マイケルズ『シニフィアンのかたち――一九六七年から歴史の終わりまで』(彩流社、2006年)
  • エドワード・W・サイード著、ゴーリ・ヴィスワナタン編『権力、政治、文化――エドワード・W・サイード発言集成(上・下)』(大橋洋一、坂野由紀子、河野真太郎、田村理香、横田保恵共訳、太田出版[Homo commercans]、2007年)
  • コーネル・ウェスト『民主主義の問題――帝国主義との闘いに勝つこと』(越智博美、松井優子共訳、法政大学出版局、2014年)

出典[編集]

  1. a b 三浦玲一『村上春樹とポストモダン・ジャパン――グローバル化の文化と文学』彩流社、2014年
  2. イギリス映画と文化政策 慶應義塾大学出版会
  3. a b researchmap
  4. KAKEN
  5. CiNii Dissertations
  6. 長澤唯史「現在望みうる最良のポストモダニズム批評」シミルボン、2016年1月27日
  7. 越智博美、河野真太郎「わたしたちの「いま」,わたしたちの「これから」 : 追悼・三浦玲一PDF」『言語文化』vol.52、2016年