七ツ口
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七ツ口(ななつぐち)とは、江戸城大奥の広敷における出入り口のことである。征夷大将軍専用の出入り口である御錠口を除くと、大奥の出入り口はここだけに制限されており、主に女中などがここから大奥に出入りした。名称の由来は、毎日七ツ(午後4時)に伊賀者の立ち合いのもとで閉めて、翌日の朝の五ツ(午前8時)にならないと開けられないことに因むという。この七ツ口では大奥の女中の出入りを厳重に監視、規制し、同時に外部からの男性による大奥の侵入、女中の不正外出などを防止するため、重さが10貫(およそ37キログラム)以上の長持ち、葛籠の蓋などは確認のため開けさせることを規則としていた(ただし、金次第で規制が緩められる場合もあったという)。また、ごさいを持たない中級・下級の女中などは、自分が希望する品を紙に書いて七ツ口に貼っておくことは許可されており、この場合は江戸幕府の御用達商人などがその紙を回収して様々な希望の品を調達し、代金を月ごとに銀貨で決済することにしていたという。