ごさいとは、江戸城大奥に仕える上級の女中が雇った買い物係の男性のことを言う。「ごさい」の由来は、塩や味噌を購入する名目で女中に支給される食費のことを五菜銀といい、男性は女中からこの五菜銀を受け取って買い物に従事したため、ごさいの名があるといわれる。御年寄には知行とは別にごさいを雇うための扶持を与えられており、ごさいは男子禁制の大奥において美女に近づく機会があることから、下級の役職ではあるものの世の男にとっては羨望の的であったといわれる。女性の主人から代金を買う品物を記した紙でくるんで渡され、これを籠(ごさい籠)に入れ、買い物に向かったが、ごさいにはピンハネの常習者が多かったとされている。