リベレーター
リベレーターとは、英語で解放者という意味を持つ言葉である。ここでは第二次世界大戦中にアメリカで製造された拳銃であるFP-45について記述する。
概要[編集]
第二次世界大戦中、ポーランド侵攻により領土を失っていたポーランド亡命政府からの対独抵抗運動に武器を供給してほしいという要請がきっかけとなり開発されたといわれている。これを受けたアメリカは他の兵器の生産に影響を与えないほど安価で簡易的な銃器を製造することを決定。設計製造はゼネラルモーターズで行われた。
性能[編集]
設計コンセプトとして、リベレーターで敵兵を無力化するわけではなく、リベレーターを用いて敵兵から銃器を奪うための簡易拳銃として設計されていた。そのため、精度や飛距離を向上させるライフリングが無い滑腔銃身である。 プレス加工により高い生産性を誇り、100万丁生産時には1丁作るのに7秒を切る時間でできたとされている。全期間を通しても8秒未満である。 .45ACP弾を利用するが、1発しか装填できない。グリップに予備弾を収納できるものの、排莢には銃口から棒状の物を差し込み、空の薬莢を押し出さなければならない。そのため装填する時間よりも製造する時間のほうが短い銃とまで言われていた。有効射程は10m程度。
評価[編集]
アメリカの各将軍は全く興味を示さず、戦地でこの銃を見つけたアメリカ兵曰く、日本軍の自決用拳銃だと思った、とのことである。世界中にばらまかれたものの、箱に入ったまま廃棄処分されたものも多数あったといわれており、いまだにその実戦評価の多くは謎に包まれている。なお、当初要求されていたヨーロッパではステン短機関銃が大量生産され、リベレーターのような簡易兵器ではなく実戦的な兵器だったため、ドイツ軍が鹵獲して使用するほどであったため、供給される頃には需要がなかったともいわれている。
現在、一般販売されている遊戯銃で本銃を模したものはモデルガンが販売されているのみである。仮にBB弾を発射できるものがあれば、威力以外の飛距離・命中精度など、本物より優れた遊戯銃の少ない実例になるかもしれない。