メス・アイナク遺跡

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メス・アイナク遺跡(メス・アイナクいせき)とは、アフガニスタン中部のロガール州の標高2000メートル超の丘陵地にある都市遺跡である。同国の首都カブールの南東およそ40キロに位置する。3世紀から7世紀にかけて存在した都市とされ、1960年代にアフガニスタン当局の調査で存在が確認されたが、本格的に発掘されないまま放置されていた。2009年になって同国政府が本格的な発掘を開始した結果、仏塔や仏像、壁画などが次々と出土し、大規模な遺跡であることが判明している。広さは45ヘクタールほどで、仏教寺院のほかにゾロアスター教(拝火教)の神殿跡と見られる場所も存在する。ギリシャ文明の影響も認められ、国際社会の支援を受けて調査が進められている。色彩を確認できる壁画のほか、仏像など大量の出土品の発見が続いている。

しかし遺跡の周辺には世界有数の埋蔵量とされる銅の鉱床が広がっており、鉱山開発が重要な財源となっているアフガニスタン政府は2007年に30年間の採掘権を30億ドル(日本円で約3250億円)で中国企業に売却しており、そのため遺跡に及ぼす影響が懸念されている。