マイラー (競走馬)
マイラー(miler)とは、1マイル(約1600m)前後の距離を最も得意とする競走馬のことである。
スピード能力に優れるが、不適性の2000m以上の距離になると最後に失速する競走馬が多い。また、燃えすぎる気性が災いして距離適性が短くなるケースもある。ただし、馬の地力やレース展開・騎手の騎乗技術でカバーできることがある。逆に、スプリンターのようなスタートダッシュで走っていては逃げつぶれてしまうので、1400m以下のレースでは見せ場なく終わってしまうこともある。
スプリンターが活躍の場を求めてマイルの舞台に来ることもあり、中盤の時計は非常に早い傾向にある。さらに、中長距離を主戦場とする馬も挑戦することがあるため、層が非常に厚く、レースも過酷になるといわれている。マイルは競走馬の本質が問われ層の厚さもあってスピードと持久力のいずれが欠けても大成できず、競走馬としての総合的な能力を最も問われる領域となっている。
かつての中央競馬では中長距離のレースで活躍する馬が評価される傾向が強く、グレード制導入以前は八大競走の中で1600mのレースは桜花賞のみであった。1984年にグレード制が導入された際に安田記念とマイルチャンピオンシップがGIに格付けされたことで、初めてマイラーに大きな活躍の舞台が与えられた。その後は1996年にNHKマイルカップが3歳のチャンピオンマイラー決定戦として、また、2006年にヴィクトリアマイルが古馬牝馬のチャンピオンマイラーを決定するGIレースとして創設されるなど、マイラーの活躍の場は増加しつつある。また、2歳馬のチャンピオンを決めるレースが中山競馬場で朝日杯フューチュリティステークスが、阪神競馬場で牝馬限定の阪神ジュベナイルフィリーズがそれぞれ1600mで行われている。また2012年には中京競馬の開催時期変更などにより夏競馬にサマーマイルシリーズも創設された。
1600mの交流ダート戦GI(JpnI)レースでは、フェブラリーステークスやかしわ記念、マイルチャンピオンシップ南部杯が古馬のGI(JpnI)レースとして、全日本2歳優駿が2歳馬のチャンピオンを決めるJpnIレースとして行われている。
脚注[編集]