マイナス金利

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マイナス金利( - きんり)とは、貸し手が借り手に利息を支払うことである。金融危機時の信用度の高い国債金利、欧州中央銀行(ECB)の中央銀行預け金などで実例があり、日本でも発生したことがある。ただし、恒常的なものではない[1]

概要[編集]

2014年6月にECBが中央銀行預け金に手数料を課すマイナス金利政策を導入した。しかしこれは預金を通じた資金仲介機能を阻害する懸念もあり、こうした措置が狙い通り貸し出し刺激効果を持つかどうかは疑問視されている。このECBのマイナス金利導入に刺激され、日本銀行の短期国債の買いオペ金利も9月に初めてマイナスを付け、その後マイナス金利は珍しくなくなった。しかし金利を払ってまで国債を売却するのは合理的とはいえず、国際市場でのマイナス金利も恒常的に続くものではない[1]

資金の貸借で名目金利がマイナスになることは通常ではない。マイナス金利の下では資金供給、すなわち資金の出し手が無くなるからで、名目金利の下限は原則としてゼロである。しかし金利がきわめて低い場合に貸し手が費用を負担するマイナス金利がインターバンク市場や国際市場、中央銀行預け金などで稀に生じることがある。例えば2003年日本のコール市場にて短期のドル資金の出し手の円資金調達金利がマイナスとなったことがある。また、金利が極めて低い中で金融危機が生じると、信用力が高い債券に買いが集中し、債券価格が上昇し流通利回りがマイナスとなることがある。欧州債務危機後は一部の国債の流通利回りがマイナスとなった。また、デフレへの対応や銀行の与信促進の観点から、準備預金金利をマイナスにする措置がデンマークスウェーデンで採られている[1]

脚注[編集]

  1. a b c 『金融時事用語集、2016年度』(金融ジャーナル社2015年12月)。84頁

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]