飛び恥
飛び恥(とびはじ)は、環境的な負荷が大きい飛行機を使わずに、鉄道を使って移動しようという運動。
「逃げるが恥だが役に立つ」の通称「逃げ恥」と語感は似ているが、「飛び恥」に「飛ぶのは恥だが役に立つ」という通称はないので注意。というかそれだと意味が逆転してしまう。
概要[編集]
スウェーデン語の「Flygskam」の邦訳であり、「飛行機で飛ぶことは恥である。鉄道を使おう!」という運動の事である。[1]
スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥーンベリが2018年に提唱した用語であり、実際彼女はそれを実践し、鉄道やヨットを使って各種会議に出席している。[2]
影響[編集]
ヨーロッパやアメリカなどではこの運動が拡大し、鉄道への利用者が増加したという。
イギリスではこの動きを受け、各種鉄道会社が鉄道利用を促進する格安チケットを提供を行ったり、運行オペレーター各社がウェブ上で各種交通機関で移動した際のCO2の排出量を計算できるサイトを設置したりといった対応が起きている。[3]
オランダでは、廃止されたオランダ国内への国際夜行列車を復活させるため、財政的な支援として670万ユーロの補助金を供出すると発表した。これは飛び恥運動により、鉄道需要が増加したことが背景に挙げられる。[4]
ドイツでは、2019年に鉄道の利用を促進するため、50km以上の長距離鉄道利用にかかる付加価値税率を現在の19%から7%へ大幅に引き下げることを決定した。これは鉄道運賃の実質な値下げと同じである。[5]
日本ではどうなのか[編集]
そもそも日本は島国であり、他国、場合によっては自国内への移動手段がほぼ飛行機しかない状態が多くあり、この運動が普及するのが難しいのではないかと考えられる。
航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は、日本では鉄道網がかなり発達しているので、既に積極的な鉄道利用を行っているといっていいと述べている。[6]
脚注など[編集]
- ↑ https://www.hiroiyomi.com/tobihaji/ 飛び恥(Flygskam)とは?#NHKニュースおはよう日本でヨーロッパで広がる「飛び恥」 2020年12月12日閲覧
- ↑ https://www.huffingtonpost.jp/entry/flygfritt2020_jp_5dcb9ebae4b0d43931cc2649 飛行機に乗るのは「恥」? グレタさんの国、スウェーデンでは「飛び恥」「鉄道自慢」の新語が流行中 2020年12月12日閲覧
- ↑ https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20200128/se1/00m/020/059000c イギリス 「飛び恥」狙う鉄道各社=酒井元実 2020年12月12日閲覧
- ↑ グレタさんで注目、「飛び恥」が鉄道に追い風-東洋経済新聞
- ↑ グレタさんで注目、「飛び恥」が鉄道に追い風-東洋経済新聞
- ↑ https://friday.kodansha.co.jp/article/94307 ヨーロッパで広がる「飛び恥」と日本人はどう向き合うべきか?