ノゴイ
ノゴイ | |
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分類 | |
界 | 動物界 |
門 | 脊索動物門 |
綱 | 条鰭綱 |
目 | コイ目 |
上科 | コイ上科 |
科 | コイ科 |
属 | コイ属 |
種 | ノゴイ |
名称 | |
学名 | Cyprinus sp. |
和名 | ノゴイ (野鯉) |
保全状況 |
ノゴイとは、コイ目コイ科に分類される淡水魚の一種である。
概要[編集]
体高が低く、細長い円筒形。
体長÷体高値は、3-4 で、ヤマトは2-4.2と変異は小さい[1]。
鰓耙数は18-21。背鰭軟条数19-21本。側線鱗は33-36。腸の長さはマゴイより長い。
生態[編集]
琵琶湖では水深20m以上に多い[2]。
分類[編集]
明治時代から日本にいるコイは(大陸由来の外来種である)体高が高いマゴイ(A.K.A.ヤマトゴイ・移入型)と体高が低いノゴイがいると知られていた。
2005年に、琵琶湖コイをmtDNA分析に結果より遺伝子的な差があるコイがいるとの報告が発表された。
2008年には、本土産コイ166個体をmtDNA系統解析にかけたところ、在来と外来コイがいると分かった。
2024年現在、学名未決定状態であるが、コンラード・テミンクが記載した“Cyprinus melanotus“を当てる説もある[3]。
人間との関係[編集]
マゴイと交雑し遺伝子撹乱がおきている。
環境省RDでは、絶滅のおそれのある地域個体群に、滋賀県のRDBでは希少種指定されている。
琵琶湖でのコイの漁獲量(マゴイを含む)は、1970 年代は年間150–200tであったが、1980年代以降は減少している。1975年に始まった湖岸堤の建設の影響があると言われている。
今までに、大規模な減少期が、1983年、1993–1994年、2004年の3回ある。
83年は、オオクチバスが大繁殖、93年は、瀬田川洗堰の操作規則により繁殖期に水位が低くなり、繁殖場所が減少した事とブルーギルの大繁殖が上げられる。04年は、コイヘルペスウイルス病の流行により大幅に減少した。
コイヘルペスウイルス病との関連[編集]
前述の通りコイヘルペスウイルス病によりノゴイが減少した。
2004年4月19日に草津市矢橋 人工島湖岸と彦根市馬場町にて発見された死亡したコイ調べた所、KHVに感染していることわかった。7月11日に至るまで、回収された死体は 102,628個体で、その内、562個体の内421個体が感染していた[4]。
回収された死体は、ノゴイが多く、マゴイは少なかった。
脚注[編集]
- ↑ 古川優「鯉の品種に関する研究(第3報) 所謂ヤマトゴイ(飼育種)とマゴイ(野生種)の形態の比較に就いて」、『滋賀県水産試験場研究報告』第4巻、1953年、 9-17頁。
- ↑ 馬渕浩司、瀬能 宏、武島弘彦、中井克樹、西田 睦「琵琶湖におけるコイの日本在来 mtDNAハプロタイプの分布」、『魚類学雑誌』第57巻第1号、2010年、 1-12頁、 。
- ↑ 瀬能 宏 (2010年). “日本産コイ(コイ目コイ科)のルーツ解明と保全へのシナリオ”. 2023年5月18日確認。
- ↑ 馬渕浩司、武島弘彦、中井克樹、瀬能 宏、鈴木寿之、西田 睦「琵琶湖 における野生型 コイの大量斃」、『魚類学雑誌』第51巻第2号、2004年、 190-192頁。
関連項目[編集]
- ジョウモンゴイ - かつて琵琶湖にいた未記載種のコイの一種。