トランプ
トランプとは、カードゲームの一種、およびゲームに用いられるカードをいう。カード自体は英米語では“Playing card”といい、「トランプ」は(英:trump)は本来は"切り札"という意味である。
概要[編集]
世界的に親しまれプレイされており、各種の遊び方がある。
大きく分けて、
- ストップ系
- ラミー系
- ホイスト系
- ピノクル系
に分類することがある。これ以外に、「ギャンブル性の強いゲーム」「その他のゲーム」に分類されることもある。
「トランプひとりあそび」と呼ばれる「ソリティア」もある。
カードの構成[編集]
4つの種類(スート)があり、これをスーツという。スートは
- 「♠スペード」
- 「♥ハート」
- 「♦ダイヤ」
- 「♣クラブ」
にそれぞれ1(エースという)から 10 までの 10 枚(ニューメラルカード。数値カード)と、人物札(コートカード/ドレス・カード。それぞれ階位を表す衣裳を身につけている)である J(ジャック)・Q(クィーン。女王)・K(キング。王様)13枚のカードがある52枚が基本である。それにジョーカーが数枚(おおむね一枚か二枚)がプラスされる。
由来[編集]
原形はタロットの小アルカナに大アルカナの「愚者」を加えたもの。もともとは
- クラブ - 棍棒。ゴルフクラブのクラブである。図柄はヘラクレスが持っていたという三つの瘤のある棍棒に由来するという。
- スペード - 剣とされるが、関東でいうスコップ、関西でいうシャベルのことをいう。「スペードをスペードと呼ぶ」というのは「下品な言葉遣いをする」の意。
- ハート - なぜか由来は杯(カップ)。聖杯かもしれない。
- ダイヤ - 金貨(Coin)なのでわかりやすい。円盤(ディスク。Disk)とも呼ばれたが、図柄だとただの赤丸になってしまうので赤い菱形が採用されたらしい。おそらくはルビーからの連想だろう。
であった。
絵札はペイジ・ジャック・クイーン・キングの四種があったが、ペイジは省略された。それぞれのジャック・クィーン・キングにはモデルがおり、元・滴翠美術館長、山口格太郎氏の考察によると、「現在、われわれがお馴染みのトランプの王様・王妃の服装はイギリスのチュードル(テューダー)王朝(1485年~1603年)のそれを踏襲している」という。
市販のプレイング・カード[編集]
プラスチック・カードも近年では良質のものがあるが、「紙製でないと厭だ」という人もいる。ただしプレイングカードではなくコレクターズ・アイテムにもなっているため、「定番の(プレイング・カードとしての)トランプ」といえば、アメリカのバイスクル社のライダーバックである。タロットの大アルカナの「愚者」に由来する「ジョーカー」は、市販のカードでは二枚であることが多いため、デックは 54 枚である[1]。
カードゲームの種類[編集]
- 最後に残った奴が負け
- 多くのトリックを取ったものが勝ち
- 得点による
など各種ある。 「プレイヤーの人数」「デックをいくつ使うか」など、いろいろな分類がある。
用語[編集]
すでに述べた「スート」(スーツ)以外に、ゲームをプレイするために重要な用語がある。
- カード(Playing Card) - 札のこと。
- (カード)ドロー(Drawing Card) - 札を引くこと。
- シャッフル(Shuffle) - カードを混ぜること。ヒンズー・シャッフル、ウォーターフォール・シャッフルなどがあるが、意外に混ざってくれない。麻雀の洗牌(シーパイ)のようなものである。テーブルに広げて混ぜるのが確実である。コンピュータ上でやるなら乱数を使ったアルゴリズムがある。
- カット - 親がシャッフルしたデックを他のプレイヤーに示し、そのプレイヤーが「四枚以上取って四枚以上残し、上下を入替える」こと。「相手を信用すること。ただしカードはカットしなければならない」という格言がある。
- デック - 「デッキ」ともいう。一揃いのカードのこと。またはテーブル上に伏せて詰んだ「山」のこと。
- ディール(Deal) - カードをプレイヤーに配ること。ディーラーが行う。
- ディーラー - 親。
- ローテーション(Rotaion)
- ビッド(Bid) - 競り。
- サレンダー - 降り。
- リード(Read)とフォロー(Follow)
- ハンド - 「手」のことであるが、ポーカーでは伏せたままテーブル上に並べてプレイヤー自身にも見えない場合がある。
- 捨て山 - 麻雀のように各人が何を捨てた(切った)かが見えるように並べる場合のほか、ジン・ラミーのように相手プレイヤーが山から新しい(まだ見ていない)カードを引くか相手の巣手札を取るかを選べる場合もある。
- マルチ - マルチプレイヤー型のゲームの略称。「流局」が少ないようなゲームが多い、
- ソリテア - プレイヤーが一人だけのプレイ。「トランプひとり遊び」ともいう。パソコン用のゲームとして有名な「ソリテア」は、「四人の仲間」というゲームである。ただし初期状態が「必ず成功する」かどうかは保証されていないので、ソリテアは成功率の高いやつから順にやってゆくことをお奨めする。「成功率は低いが、頭を使うのでハマる」というソリテアとしては「カリキュレーション」がある。
競技種類[編集]
ストップ系[編集]
- ババ抜き(Old Maid) - 日本ではジョーカーを加えることが多いが、「クィーンを一枚抜く」というルールもある。
- ジャックたたき(Slap Jack)
- 神経衰弱(Consentration、Memory、Pelmanism、インサニティ)
- ピッグ
- ニックネーム
- ファン・タン(「七並べ」と似ているらしい)
- ゴー・フィッシュ
- エイト(「ページ・ワン」「ラスト・ワン」)
- ダウト
- コメット
- ストップ
ラミー系[編集]
- ベイシック・ラミー
- 500 ラム
- オクラホマ
- コントラクト・ラミー
- コンチネンタル・ラミー
- バンキング
- コン・キャン(クーン・キャン)
- ジン・ラミー
ゲーム名 | 使用するデック数 | プレイヤー数 | プレイ時間 |
ジン・ラミー | 1 | 2 | おおむね十五分以内 |
- カナスタ
ホイスト系[編集]
- ホイスト
- ナポレオン
- スポイル・ファイブ
- オー・ヘル
- スコッチ・ホイスト
- ハート(ハーツ (トランプ))
- ルー
- ユーカー
- エカルテ
- ツー・テン・ジャック
- 500
- コントラクト・ブリッジ(ブリッジ)
ピノクル系[編集]
- セブン・アップ
- ピノクル
- シックスティ・シックス
- ベジータ
- ソロ
- シックス・ビッド・ソロ
- スカート
- ピケット
- クラバジャス
- シープス・ヘッド
ギャンブル性の強いゲーム[編集]
- ミノル
- レッド・ドッグ
- ブラック・ジャック
- バカラ(バッカラ)
- ブラッグ
- ポーカー(スタッド・ポーカー、ドロー・ポーカー)
- ジャック・ポット
- セブン・カード・スタッド
その他のゲーム[編集]
- カジノ
- クリベッジ
- ベイベル
- エリウシス
未分類[編集]
脚注[編集]
- ↑ サイズにポーカーサイズとブリッジサイズがある。赤と青の二種類があるので買うときは両方揃えたいが、それだけでもけっこうな値段になるので躊躇する人も多い。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
- 水谷栄三『世界のカードゲーム』