データセンター
地上のクラウド
データセンター(英:Data center、DC)とは、サーバーと呼ばれるコンピューターが多数集中管理されている、特別な施設である。
概要[編集]
この施設においてカーストの最上位にあるのがサーバー(コンピューター)であり、その下にインフラエンジニアをはじめとする人間どもが働きアリのように配置されている構造となる。
よって、人間よりもサーバーのパフォーマンスを最大限に引き出せるように最適化された施設となっている。例としては空調の温度もサーバーに合わせて設定されており、さくらVPSの石狩データセンターなどはサーバー冷却性能に合わせて立地から設定されている。
ここに配置されるコンピューターは、さまざまなWebサービスなどを提供するための中枢と位置付けられ、一瞬のサービス中断も許されず、厳格に冗長化がなされている。電源も二重化されているのが普通で、主系・副系は別の電柱から引き込み、さらにバックアップとして自家発電装置も備える場合もあるなど、一種の要塞のようになっている。兵糧攻めにもある程度は耐えられるよう設計されている。
内部[編集]
データセンターの内部には、サーバーやネットワーク用の機器が高密度に設置できるよう、ラックが何本も備えられている。人気のラックはEIA規格の42Uラックで、1本に最大42個の機器(1/2U機器などはそれ以上)が設置できる。
機器間をつなぐ線(電源・LAN等の情報線)はまさにデータセンターの血管である。結線部分には札をつけ、どことどこを繋いでいるのかを明確化しておく。黒文字は札に近い方の端子、赤文字は札から遠い方の端子がどこに繋がっているかを示す。たとえば「サーバー214番 LAN1ポート/L2スイッチ18番 LAN17ポート」などとなる。
データセンター内に設置されるサーバーの用途には何種類かある。自社で利用するもの、自社が管理するサーバーの一部を他社に貸し出すもの(レンタルサーバー)、ラックのみを貸し出し機器などは借主が用意するもの、などがある。自社のみで利用するサーバーは、メンテナンスが容易になるよう社屋内、もしくは社屋に近い所に設置されることもある。レンタルサーバーは出入りする人間が自社関係者のみになり、厳格なセキュリティを施しやすい。ラックを貸し出すタイプでは、ラック内の機器に障害が発生した際に、データセンター常駐スタッフが代わりに対応するサービスを提供することもある。
データセンターに良く設置される機器として、L2・L3スイッチ、ブレードサーバー(ラックマウントサーバー)、UPS、KVMスイッチなどがあげられる。
GoogleのDC[編集]
Googleはデータセンターの様子を公開しており[1]、空調管理を人工知能に任せていたりする模様[2]。
その他[編集]
- 各データセンターはTier(ティア)と呼ばれる区分で1から4までで格付けされているようだが、アメリカと日本では基準が違う模様[3]。
参考動画[編集]
- ヨーロッパのルクセンブルクにあるTier4データセンターの紹介動画。
脚注[編集]
- ↑ “Googleがあらゆるサービスを支えるデータセンターの様子を公開中”. Gigazine (2013年12月11日). 2019年2月5日確認。
- ↑ “Google、データセンターの空調管理をAIに一任”. TechCrunch Japan (2018年8月20日). 2019年2月5日確認。
- ↑ “データセンター Tier(ティア)について”. 2児パパの自己啓発ブログ (2017年3月30日). 2019年2月5日確認。
関連項目[編集]
- インターネットデータセンター - 略してiDC
- バーチャル・プライベート・サーバ - 略してVPS
- スーパーコンピュータ