チョロQワンダフォー!

出典: 謎の百科事典もどき『エンペディア(Enpedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動

チョロQワンダフォー!とは1999年8月5日に初代PlayStation向けに発売されたレースゲームである。開発元がタムソフトからE-GAMEに代わっており[注 1]、前作までとは一変した操作感や世界観となっている。レースメインのチョロQとしては初代PS最後の作品であり、さまざまな新要素が盛り込まれた意欲作であった。

概要[編集]

チョロQワンダフォー!
ジャンルレースゲーム
対象機種Playstation(初代)
開発元E-GAME
販売元タカラ(現:タカラトミー)
シリーズチョロQシリーズ
プレイ人数1~2人
品番SLPS-02205
SLPS-86902(best版)
価格6,090円(通常版)
2,940円(best版)
いずれも消費税5%込
発売日1999年8月5日(通常版)
2001年8月23日(best版)

今作はチョロQが喋って話をするようになり、街要素のボリュームがかなり増えている。RPGのような要素が増えており、チューニングパーツは街に点在している宝箱から入手したり、RPGでおなじみの「おつかいイベント」があったりと世界観が一変している。挙動も前作までのコミカルなものとは異なり、グランツーリスモのようなリアル系に近いものに変更されたり、探索における燃料の概念など数多くの仕様変更や追加がなされた結果、従来のユーザからは賛否両論が巻き起こることとなる。

ストーリー[編集]

前回のワールドグランプリで優勝した主人公。しかし優勝トロフィーを誤って壊してしまう。ワールドグランプリの開催には優勝トロフィーを一度返さなくてはならず、大会の開催までに優勝トロフィーを何とかするために冒険をするというストーリーである。

前作までとの相違点[編集]

今作は従来の作品から大きく変わっている個所がとても多い。本節ではその一部を記述する。

ストーリー要素の追加
前作まではストーリーらしきものはなかったが、今作は明確なストーリーが存在する。
操作感の変更
前作までは特に難しい操作も必要なく、(TAややりこみ要素を除けば)クリアに至る操作は簡単なものであった。しかし今作からは所謂「リアル系」に寄せた挙動をしており、コーナーでの減速やドリフト中のコントロールが明確にシビアになっている。一方で慣れれば面白い操作感となっており、やりこめばやりこむほど上達を感じることができる絶妙な操作感という意見もある。
燃料要素の追加
今作では燃料の概念があり、探索やレースにおける燃料管理が必要となった。なお、給油は無料である。高性能なエンジンやオプションパーツにおいて消費が増える傾向になっている。
パーツショップ廃止
従来のレースで賞金を獲得し、パーツショップで性能のいいパーツを買いそろえていくというシステムが廃止された。チューニングパーツはそれぞれの町に点在する宝箱から入手するようになり、手間が増える分資金稼ぎが不要になった。
マニュアルトランスミッション廃止
今作ではすべてオートマチックトランスミッションとなり、任意にギアを変更することができなくなっている。そのためバックとアクセルは別ボタンとなっている。
クラッチ
今作ではクラッチの概念が追加されている。もっとも実車と違ってオンとオフを切り替えるだけのものである。上り坂や燃料節約などに効果を発揮する。
ボディの大幅減少&交換不可
今作では一つのチョロQが主人公という設定のためかボディの交換ができなくなっている。また、選べるボディも最初に提示される6つのボディからの選択となっており、カラバリも少なくなっている。なおボディのモデリングなどは向上しており、プレイヤーが選択できないボディも多く存在するだけに非常にもったいない。
ボディカラーの設定

今作ではボディカラーは決められた8色のみであり、自由な色変更はできない。ボディカラーはストーリー後半のイエロータウンにある「謎の大穴」で変更できるようになる。チョロQの車のボディカラーの種類は、赤、黄色、緑、青、紫、ピンク、白、黒の8色のみ。

ステータス画面の廃止
前作まではステータス画面を開くことでパーツの付け替えができていたが、今作はそれらが無くなっている。
名前の変更が不可能に

チョロQの車の名前の入力は、ゲーム開始時「車選択」しかなく、一度名前が決まったら、名前の変更はできない[注 2]

視点変更
今作では前作までにあった視点変更が無くなっており、ビハインドビュー固定となっている。

舞台[編集]

本作では主に4つの町が舞台となっている。この作品における町の名前は、色名の付く町となっている。以下にその概要を記述する。

レッドシティ
ゲームスタート時の町である。主人公のガレージもこの街に所在している。
この町のコースは街を一周するシティコースになっている。直角コーナーや狭い道が多く難易度は高い。
グリーンパーク
山の上にある遊園地である。なぜか町中に空き缶が放置されている。
この町のコースはゴーカート場を利用したサーキットコースであり、操作に慣れてきたころに走ると楽しいコースである。
イエロータウン
グリーンパークから下ったところにある町であり、後述のブラックタウンとは一つの町であったという。
この町のコースはオフロードの庭園を利用したアスレチックコースであり、ライバルカーは全てビッグタイヤを装着している。もっとも、チョロQ3のコースである「ビッグタイヤ」とは違いノーマルタイヤでも苦労せず走ることができる。
ブラックシティ
イエロータウンとは壁で隔てられた町であり、イエロータウンとブラックタウンはもともとゴールドタウンという一つの鉱山町であった。
この町のコースはレッドシティ同様のシティコースであり、より難易度が増している。
ゴールドシティ
グリーンタウン
ブルーシティ
ブルーレイク

世界観[編集]

上記の4つの町を舞台として、それぞれの町でチョロQたちが暮らしている世界である。表面上はほのぼのとした世界観に見えるが、プレイしていて感じる違和感を紐解いていくと「なるほど」と思うことのできる伏線が張られているなど、レースゲームにしてはよく練られた世界観となっている。その一方で「とある場所」でトラウマを植え付けられたプレイヤーも少なくなく、前作にあったちょっぴりのホラー要素も大幅にパワーアップしているといえる。

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. 開発スタッフはタムソフトからの移籍が中心であったとされる
  2. 前述のように、一人の主人公として命名するためと思われる