タンポン
タンポンは膣内に挿入する事で経血を吸収し、役目を果たす生理用品の事である。
概要[編集]
筒状の綿花を膣内に挿入して、経血を吸収する。使用後はひもを引っ張れば抜ける。合理的で取り扱いも簡単な製品である。ただ、そのやり方に置いて貞操観念の面から強い否定感情があるため、日本では普及していない。
歴史[編集]
1938年に合資会社桜ヶ丘研究所より「さんぽん」が発売されるが、戦時中の物資不足により製造中止となる[1]。
終戦後にエーザイ製品のスティック式挿入型タンポンである「セロポン」が1964年に発売。同年、アメリカ製の「タンパックスタンポン」の輸入が開始される[1]。
1968年にアンネ社がドイツのカールハン社と協力して「アンネタンポンo.b.」を発売した。ただ当時は今より貞操観念が高く、タンポンで処女膜が破ける事で処女でなくなりお嫁に行けなくなると考える女性が多く、普及は難しかったようだ。これについてはドクトル・チエコが警鐘を鳴らしていた[1]。
1972年に十條キンバリーがタンポンの輸入販売を始める。そして、1974年チャーム社が「チャームタンポン」を開発し、大々的に宣伝活動を始めた[1]。
それでもその形式からタンポンの使用は売春などの非行を招くなどと考える大人は多かった[1]。
1980年にはアメリカでP&G社製の「Rely(リライ)」というタンポンの使用者に健康被害と数十人の死者が出るといった「タンポンショック事件」が起きた。原因はTSS(トキショックシンドローム)で吸収率とTSSの相関関係が見られたので、吸収性の高いレーヨンの製品を中止し、そのおかげで患者数は減少した[1]。
2000年初頭にメーカーが相次いでタンポン市場から撤退し、今残るのはユニ・チャーム社だけである[1]。
余談[編集]
1976年頃『りぼん』などの少女漫画雑誌に、セロポンを宣伝するミニ漫画が掲載されていた。その後廃れてしまったようだが、もし残っていれば『日ペンの美子ちゃん』になっていたのかもしれず、残念ではある。