クラス替え

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クラス替え(クラスがえ)とは、1学年に複数の学級(クラス)を持つ学校で行われる恒例行事である。

概要[編集]

1学年の人数が非常に多いと1つのクラスでは全員の面倒を見切れないため、複数のクラスに分けて学校生活を送らせている。そういった学校では進級時にクラス替えを行うことが一般的である。小学校では2年から3年に1度、中学校以上では毎年行われる。なお新入生の場合はクラス分けと呼ぶ。実施の理由は人間関係の固定化を防ぎ、子供の成長の可能性を潰さないためとされる。

1学年に複数のクラスがあっても高校以上では学科・専攻単位で1クラスということもあるため、そういった学校ではクラス替えはない。児童数・生徒数が少なく、1学年1クラスが当たり前の学校でもクラス替えはない。

クラス替えの基準[編集]

クラス替え・クラス分けをするにあたり、「くじ引きでランダムに決めている」という話を聞いたことがある人は多いかもしれない。実はこれは児童・生徒に対する方便で、実態としては学力レベルと一定の基準を元に詳細な部分は職員会議で決定している。新学年を受け持つ教員は受け持つ児童・生徒についてある程度注文を出すこともあるとか。[1]

まずクラス替え・クラス分けをするにあたって必要な学力レベルのデータだが、在校生は前学年の学年末テストと学年末の教科成績、新入生の場合は下の学校から送られてくる指導要録や入学試験の成績を元にする。それらのデータを元にしてまずクラスの叩き台を作り、それを元にして以下の基準を適用して割り振りを行う。

  1. ピアノ演奏が出来る者を各クラスへと配分する
  2. リーダーシップが取れそうな者を各クラスへ配分する
  3. 運動が得意な者を各クラスへ配分する
  4. 双子・いとこは別々のクラスへ分ける
  5. 交友関係が深い者は別々のクラスへ分ける
  6. いじめなど人間関係のトラブルが発生した者は可能な限りクラスを分ける

1.は合唱コンクール学芸会などで困らないようにするためで、子供が学校でピアノを弾く機会がなければ特段考慮はされない。
2.は学級委員生徒会役員の適正があるであろう者をバランスよく配分するため。
3.は体育の授業や運動会体育祭で困らないようにするため。体育祭のチームを学年・クラス混合で組む学校では特に考慮をしないが、最低でも学級ごとの水準に大きな差が出ないようにはしている。
4.双子・いとこは過度に仲が良い・仲が悪いが出るため、人間関係の固定化・トラブル防止もあって原則クラスを分けるようにする。保護者の方からすれば家庭訪問や懇談会が1回で終わらない上、授業参観でどちらにも顔を出さねばならず困るかもしれないが。
5.は人間関係の固定化を防ぐため。
6.は教職員が人間関係のトラブルを把握している場合に適用されることがあるが、担任や学年主任が当事者の子供または保護者を通してトラブルが起きていることを把握していてもクラスを同じにする場合がある。

いずれも基準は一例であり、これ以外の基準を使用している学校もあれば、一部の基準を使わない学校もある。

高等学校の場合[編集]

高等学校の場合、文系コース・理系コースで分けることが多く、選択科目もあるので選択科目もクラス分けの基準となる。人数の少ない科目の履修者はできる限り同じクラスに固める、人数の多い科目の履修者は各クラス均等になるようにするなどより複雑になる。なお、学校行事の都合上、特定の学年に限りクラス分けを行わない学校も存在する。

脚注[編集]

  1. くじ引きがあるとしたら新学年を担任する複数の教員から指名が相次いだ極めて優秀な児童・生徒ぐらい。勿論問題児を積極的に引き受ける教員もいる。