よみもの:レントゲニウムメダルの可能性
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現在、オリンピックのメダルには金、銀、銅の3種類がある。ところで、周期表で、金、銀、銅が同じ族にあり、金の下にあるのがレントゲニウムであるが、レントゲニウム製のレントゲニウムメダルを金メダルに代わる、1位のメダルとして導入し、金メダルが2位、銀メダルが3位、銅メダルが4位のメダルとして使用する、ということはできないのだろうか。
メダル[編集]
メダルは、純銀の上に厚み1mm程度のレントゲニウムをめっきして作られるとする。寸法を直径85mm、厚さ10mmとする。すると重量は、レントゲニウムの密度が測定されていないため、詳しいことは分からないが、金メダルと同等か、若干重い560g前後になると想定されている。レントゲニウムをどのくらいめっきするのかによって、重さは変わってくる。そのほか、競技名の刻印、リボンなどについては既存のメダルと同様になるとする。
課題[編集]
レントゲニウムメダルには、いくつかの課題がある。まずは、放射能の問題である。仮に、最も半減期が長く放射能が低い同位体であるレントゲニウム286のみを用いて製作されるとしても、半減期は10分ほどで、放射能は2.4×1018Bq/gに達する。これは、1gでも広島市に投下された原子爆弾から放出された放射能の総量の約10倍にもなる計算になる。これを浴びたら、人間はひとたまりもない。
また、材料の確保の問題もある。人類の歴史上、レントゲニウム原子は、より重い原子の崩壊で生成されたものを含めても、三十数個しか合成されていない。1gのレントゲニウム286には、2.1×1021個もの原子が含まれる。しかも、前述したとおり10分ほどで崩壊してしまうので、加速器で合成したら大急ぎで競技会場まで運ぶ必要がある。すると、崩壊する分も含めて多めに作る必要がある。10分で2.1×1021個の原子を生成させるには、毎秒3.5×1018個もの原子を合成する必要がある。そもそも1個できること自体がかなり低い確率で、それを毎秒3.5×1018個生成するとなれば、地表全てを加速器で埋め尽くしたとしても到底足りない。
以上のことから、よほど革命的な技術革新があるか、長寿命な同位体が発見されない限り、レントゲニウムメダルは実現しないだろう。