とらんぷ譚
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『とらんぷ譚』(とらんぷものがたり)とは、中井英夫の短編作品集。「譚」一文字で「ものがたり」と読む。1980年1月10日に初版発行。氏が1970年代に発表した作品群の集大成とも言える内容である。ほとんどが過去に発刊された内容の合本であり、一部に初収録作品も含まれている。挿画は建石修志。
タイトル[編集]
タイトルの「とらんぷ譚」は、作者が中学生時代に見た、サッシャ・ギトリーの映画『ある詐欺師の物語』の邦題から取られている。
収録内容[編集]
♠(スペード)の部、♣(クローバー)の部、♥(ハート)の部、♦(ダイヤ)の部、J(ジョーカー)の部、の全5部に分かれている。トランプのカード枚数になぞらえ、♠〜♦は各13篇、Jには2篇の作品が収められている。
- ♠ 幻想博物館
- 1972年に単行本初版が発行された『幻想博物館』を収録する。
- ♣ 悪夢の骨牌
- 1973年に単行本初版が発行された『悪夢の骨牌』を収録する。
- ただし「薔薇の獄 もしくは鳥の匂いのする少年」(初出:『幻想と怪奇』1974年3月号)は本書にて初収録。
- ♥ 人外境通信
- 1976年に単行本初版が発行された『人外境通信』を収録する。
- ♦ 真珠母の匣
- 1978年に単行本初版が発行された『真珠母の匣』を収録する。
- ただし「虚(うろ)」は本書のための書き下ろし作品で、初収録。
- J 影の狩人・幻戯
- 「影の狩人」は、『カイエ』1979年2月号に発表された作品。書籍への収録は、本書が初めてとなる。
- 「幻戯」は、『海』1975年3月号に発表された作品。次年11月に発刊された単行本に一度収録されており、これは再録。
それぞれの短編作品の内容解説は、リンク先に譲る。