ご当地ナンバー
ご当地ナンバー(-とうち-)とは、自動車に装着されるナンバープレートのうち、自動車検査登録事務所の新規設置なく設定されたナンバープレートのこと。正式には新たな地域名表示ナンバープレートという。
概要[編集]
自動車のナンバープレートにはその自動車を登録した自動車検査登録事務所の所在地名が書かれる。例えば東京都であれば、国土交通省東京運輸支局が管轄する自動車検査登録事務所が以下のように存在する。
- 品川ナンバー(本庁舎)
- 練馬ナンバー(練馬自動車検査登録事務所)
- 足立ナンバー(足立自動車検査登録事務所)
- 多摩ナンバー(多摩自動車検査登録事務所)
- 八王子ナンバー(八王子自動車検査登録事務所)
各登録事務所の管轄エリアは
- 品川:千代田区・中央区・港区・品川区・目黒区・大田区・世田谷区・渋谷区・大島支庁・三宅支庁・八丈支庁・小笠原支庁
- 練馬:新宿区・文京区・中野区・杉並区・豊島区・北区・板橋区・練馬区
- 足立:足立区・荒川区・江戸川区・葛飾区・江東区・墨田区・台東区
- 多摩:立川市・武蔵野市・三鷹市・府中市・昭島市・調布市・町田市・小金井市・小平市・東村山市・国分寺市・国立市・狛江市・東大和市・清瀬市・東久留米市・武蔵村山市・多摩市・稲城市・西東京市
- 八王子:八王子市・青梅市・日野市・福生市・羽村市・あきる野市・西多摩郡
となっており、このうち世田谷区か杉並区に車庫を持つ自動車はナンバーの地名表記がそれぞれ世田谷・杉並となる。世田谷区と杉並区に自動車検査登録事務所はなく、この2つのナンバーがご当地ナンバーとなる。
新設の背景[編集]
ご当地ナンバーが新設された背景には地域振興や観光振興が公式な理由として説明されている。しかし実際にはナンバープレートの枯渇という深刻な問題も絡んでいる。
まず同じナンバープレートは2つ同時に存在できない。更に過去に1度登録されたナンバーは再使用されない。
例えば2000年に多摩500る・903という車が登録されたとする。この車両は2012年に廃車となり、そのままスクラップとなった。この時点で多摩500る・903というナンバーは誰も登録していない物となったが、鉄道車両の車両番号と違い、再利用は決してされない。
使用できる組み合わせは最も多い自家用でも2,841,710通りしか存在しない。いずれ番号が足りなくなって枯渇する可能性がある。特に自動車の登録台数が増加しやすい都市部や管轄区域の広い地域では番号の枯渇の心配があった。これに対応すべく国は
- 自動車検査登録事務所の増設(地名が違えば番号・平仮名が被っても良い)
- 分類番号の桁数追加(1ケタ→2ケタ→3ケタ)
などで対処していたが、自動車検査登録事務所の増設には相応の費用がかかる一方、自動車検査登録事務所とナンバープレートの地名が1対1でしか管理できなかったシステムを更新して、新たにご当地ナンバーとして登録事務所のない地域の地名をナンバーへ記載できるよう制度を新設した。
要件[編集]
- 単独自治体で登録台数が10万台を超えること。
- 複数自治体(平成大合併で単独自治体になり、他自治体を含む努力を課す地域を含む)で登録台数が5万台程度を超えること。