τ (数学定数)
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τ(タウ)は、円の半径に対する円周の長さの比である。その値は6.283...で、円周率の2倍、つまり2πに等しい。
概要[編集]
数学や物理の公式では「2π」の登場頻度が多いことから、π = 3.14... は中途半端な値で、τ = 6.28... こそが円周率として合理的だったのではないかという主張がある。
例えば、三角関数の周期はτであり、
の等式が成り立つ。弧度法では1周(360°)がτ、2周(720°)が2τ、1/6周(60°)がτ/6などと、角度と数値がより直感的に結びつく。τを「turn」と読めば一目瞭然だろう。
また、オイラーの等式 は
となる。見た目がより簡潔になるだけでなく、「複素偏角を1周させると元に戻る」という意味合いからも本質的になる。
円の面積 は
となり余計な分数が増えているように見えるが、円周の長さ の一階積分であることを考えれば係数1/2はむしろ必然的だと考える人もいる(等加速度直線運動 や運動エネルギー などと同形)。また、扇形の面積
と同じ形で表記することもできる。
実際のところ[編集]
3.14から始まる円周率は紀元前2000年頃から知られていた値であり、6.283...を表す場合でも単に2πと書けば事足りるため、今さら変更するだけのメリットはほぼない。
試験問題や論文でどうしてもτが使いたかったら「以下、τ = 2π とおく」などと断り書きをすればよいだろう。採点官は戸惑うかもしれないが。
外部リンク[編集]
- Tau Manifesto - τ推進派のバイブル。よくある反論に対しても細かく説明がある。
- オイラーの等式よりも美しい - ネイピア数(自然対数の底)に対してτを「三角関数の底」とする考え方を提示している。