MKウイルス

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MKウイルス(Male Killer Virus)は、漫画『終末のハーレム』の架空のウイルス

概要[編集]

ナンバーズがコールドスリープに入ってから1年と経たないうちに発生した、新種のウイルス[話 1][注 1]。男性にしか感染しないことから「男殺しウイルス」の通称が付けられた[話 1]が、怜人が入手した論文データでは「男性特異的殺人人工合成ウイルス」と称されており、人間によって作り出されたことが明かされている[話 3]。また、UW世界本部による内偵ではUW日本支部の首脳陣が製造に関わっていたことが明かされている[話 4]が、イザナミによる電波ジャック放送では世界本部が人工衛星を介して散布した可能性が高いことが暴露されている[話 5]。この人工衛星については、某国の工場に大量の残骸が廃棄されていたこと、その一部部品から高濃度のMKウイルスが検出された[注 2]こと、人工衛星の製造会社の取締役には2045年現在における世界本部のトップの1人が名を連ねていたことも暴露されている[話 5]

感染者の全身の細胞を3日間で死滅させ、皮膚が紫色と化した全身の穴から血液を噴き出す惨死に至らしめるという、きわめて重篤な症状や急速な空気感染により、地球全土での感染爆発を3か月間で引き起こした結果、世界人口を半減させている[話 6]。第22話では感染者は世界同時多発的に現れたと見られていることがマリアから怜人に説明されている[話 7]ほか、第65話では2040年後半に世界中にて猛威を振るったことが冒頭で説明されている[話 8]。また、第74話ではインフルエンザウイルス並みの感染力とエボラウイルス以上の致死性を兼ね備えていることや、都市への人口集積と移動手段の発達が仇となったことが、町の至る所に倒れた人々の光景や、逃れようとして航空機へ殺到するも搭乗直前で力尽きた人々の光景と合わせ、冒頭の絵理沙の回想で説明されている[話 9]。ただし、第78話では免疫を持っている怜人が高濃度注入を経ての鼻血や吐血からあと数時間の命とラギーニに判断されているなど、惨死までの経過日数には免疫の有無やMKウイルスの濃度によって個人差が生じることも描かれている[話 10]

2045年現在でも地球全土に蔓延していることから、エリカが高松のコールドスリープを花蓮による教唆のもとで解除した際には、彼がまもなく惨死に至る姿が描かれている[話 11]

なお、現実世界での2016年7月には、ケニアナイロビにてチョウカバマダラの生態を観察したイギリスエクセター大学などの研究者たちにより、カバマダラのメスに感染してオスの卵を孵化させなくする細菌スピロプラズマの存在が確認されている[1][2]ほか、同年9月にも日本にてスピロプラズマを研究していた産総研により、スピロプラズマが宿主ショウジョウバエをメスだけにしてしまう生殖操作の構造が解明されている[3]。また、「Male」が厳密には人間の男性に限らず性別のオスを意味することから、英語翻訳版では「Man-Killer Virus」マンキラーウイルスと変更されている。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. 第73話で絵理沙の回想当初の時点が怜人がコールドスリープに入ってから半年後であるうえ、前田がMKウイルスによる吐血を経て昏倒した時点でも2040年終盤である[話 2]ことから、まだ1年未満であることが示唆されている。
  2. 連載時は残骸全体から検出された旨が書かれていたが、単行本第7巻ではこの旨に修正されている[単 1]

出典[編集]

ウェブサイト[編集]

  1. “全てのオスが孵化せず!アフリカの蝶に起きた異常事態”. IRORIO (マッシュメディア). (2016年7月22日). オリジナル2018年7月1日時点によるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20180701194424/http://irorio.jp/daikohkai/20160722/337441/ 2019年11月3日閲覧。 
  2. “オスだけを100%抹殺してしまう、脅威の細菌の存在が明らかに(国際共同研究)”. カラパイア (ミンキュア). (2016年7月27日. http://karapaia.com/archives/52222104.html 2019年11月3日閲覧。 
  3. 共生細菌が宿主昆虫をメスだけにするしくみを解明”. 産総研(2016年9月23日)、2018年7月1日確認。

単行本[編集]

  1. 第7巻 2018, p. 154
参照話数[編集]
  1. a b 第1巻 2016, 第1話
  2. 第11巻 2020, 第73話
  3. 第4巻 2017, 第26話
  4. 第6巻 2018, 第36話
  5. a b 第7巻 2018, 第47話
  6. 第1巻 2016, 第2話
  7. 第4巻 2017, 第22話
  8. 第10巻 2020, 第65話
  9. 第11巻 2020, 第74話
  10. 第12巻 2020, 第78話
  11. 第10巻 2020, 第64話

参考文献[編集]

  • LINK(原作)/宵野コタロー(作画) 『終末のハーレム 第1巻』 集英社、2016年。ISBN 978-4-08-880819-2
  • LINK(原作)/宵野コタロー(作画) 『終末のハーレム 第2巻』 集英社、2016年。ISBN 978-4-08-880842-0
  • LINK(原作)/宵野コタロー(作画) 『終末のハーレム 第3巻』 集英社、2017年。ISBN 978-4-08-881087-4
  • LINK(原作)/宵野コタロー(作画) 『終末のハーレム 第4巻』 集英社、2017年。ISBN 978-4-08-881243-4
  • LINK(原作)/宵野コタロー(作画) 『終末のハーレム 第5巻』 集英社、2018年。ISBN 978-4-08-881438-4
  • LINK(原作)/宵野コタロー(作画) 『終末のハーレム 第6巻』 集英社、2018年。ISBN 978-4-08-881523-7
  • LINK(原作)/宵野コタロー(作画) 『終末のハーレム 第7巻』 集英社、2018年。ISBN 978-4-08-881634-0
  • LINK(原作)/宵野コタロー(作画) 『終末のハーレム 第8巻』 集英社、2019年。ISBN 978-4-08-881762-0
  • LINK(原作)/宵野コタロー(作画) 『終末のハーレム 第9巻』 集英社、2019年。ISBN 978-4-08-882044-6
  • LINK(原作)/宵野コタロー(作画) 『終末のハーレム 第10巻』 集英社、2020年。ISBN 978-4-08-882188-7
  • LINK(原作)/宵野コタロー(作画) 『終末のハーレム 第11巻』 集英社、2020年。ISBN 978-4-08-882304-1
  • LINK(原作)/宵野コタロー(作画) 『終末のハーレム 第12巻』 集英社、2020年。ISBN 978-4-08-882457-4