LPG自動車

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LPG自動車とは、燃料に液化石油ガス(LPG=Liquid Petroleum Gas)を利用する自動車で、その力でエンジンを動かして走る自動車。LPガス自動車。低公害車の一つ。ガス系の燃料の一つ。

概要[編集]

家庭でよく使われている、プロパンガスを燃料とした車。プロパンガス車。
駆動源の構造はエンジンで、ガソリンエンジンと差異は無い。燃料タンクにボンベを搭載している。
主に、タクシー、トラック、バスといった働く車・業務用車両に使われている。タクシーでは、全体のおよそ8割がLPG車になっている。
LPG車にはLPガスだけを燃料とする専焼タイプと、LPガスとガソリンを併用するバイフューエルタイプがある。「LPG-HYBRID」では、市販されているガソリン車を改造するため多様な車種が選択できる。バイフューエル車は航続距離が約2倍になる。

LPG車のガスステーションは、「LPガススタンド」「オートガススタンド」「エコステーション」という。LPG車用の給油スタンドもある。LPGは家庭用ではプロパンガス、自動車用はオートガスである。

デメリットは重量で、LPGのバイフューエル車の重量は約60kg重くなる。

燃料[編集]

燃料の液化石油ガスは、ブタンプロパンを混合したオートガスが用いられる。ガソリン車及びクリーンディーゼル車に比べてCO2の排出量は低く、黒煙は出ず、煤煙・窒素酸化物・NOxはほとんど無い。CO2排出量は、ガソリン車より約15%低く、ガソリン車の約85%である。気体で使用しほとんど完全燃焼するため、エンジンの寿命が長くなり、エンジンオイルも長持ちする。ガソリン車に比べて、騒音が少ない。排気ガスがクリーンで、航続距離が長く、販売価格はガソリンより安く経済性にも優れている。令和4年1月の東京におけるLPガス1リットルの価格は112.3円と、同時期のレギュラーガソリンより50円以上も安い[注 1]。充填時間はガソリン・軽油とほとんど変わらない。

利点と欠点[編集]

利点
  • 前述のように低公害であること、価格が安いことが挙げられる。
  • ガソリンに比べ完全燃焼しやすい(煤が出にくい)ため、エンジン内の汚れの進行がガソリン車に比べて緩やかである。
  • 既存車種のLPG化がハイブリッドなどと比べて容易。
欠点
  • 燃料の補充がほぼオートガススタンドに限られるため、深夜や高速道路、郊外において入手性が悪い。特に高速道路上は補給地点がゼロである。
  • LPGの補充に高圧ガス製造保安責任者の資格が必要。そのため、セルフスタンドは存在しない。
  • LPGのボンベ(タンク)に有効期限があり、指定期間内での点検・交換が必要。また、検査に数日かかる。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. 石油情報センターによる調査結果より。毎月10日に調査を行っている。なお、この時のレギュラーガソリンの値段は169.5円/L