JR貨物UF45A形コンテナ

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UF45Aコンテナ(UF45Aがたコンテナ)は、日本貨物鉄道(JR貨物)輸送用として籍を編入している私有コンテナ冷凍コンテナ)である。

形式の数字部位 「 45 」は、コンテナの容積を元に決定される。このコンテナ容積45㎥の算出は、厳密には端数四捨五入計算の為に、内容積44.5 - 45.4㎥の間に属するコンテナが対象となる[1]。 また形式末尾のアルファベット一桁部位「A」は、コンテナの使用用途(主たる目的)が「普通品の輸送」を表す記号として付与されている[2]

特記事項[編集]

ランテックが所有する、2002年 - 2004年の初頭に配備されたUF46A-39500番台で現存する固体中、ごく一部の古い26個を除き、このUF45Aコンテナ形式を含む冷凍コンテナの特徴として冷凍品以外に、固まっていないチルド状態のケーキ類や、大きな振動が長時間続くと中身が分離しやすい、乳製品(生クリームヨーグルトゼリーなど)も大量に扱うために、輸送時に床下から伝わる振動を軽減させる免震構造となっている[3]

また現在唯一の、分散式による輸送中の冷凍機故障事故は、例えばトラック輸送時は運転席の真後ろ位置にあるコンテナの冷凍機から、異音や煙が出るなどのトラブルは、運転手が気付きやすく対処も早くできる。これに対して鉄道輸送では、たまたま途中停車時の発見または、走行中に出火を起こし外部からの通報で発覚するなど、ごく稀な発見事例以外では故障が発見されにくく、過去には輸送後の着地点検で故障が発見されるも、時遅く全ての積荷が全滅事故などのリスクも常に付きまとう事情がある[4]。この過去の苦い経験を生かし現在は、『ロボットコンテナ』と名付けたGPSを利用した遠隔通信システムにより、温度変化・ドアの開閉状態を中心に複数の監視機能を、30 ft級冷凍コンテナを所有する業界最多保有数180個(2021年7月現在)の、全てのコンテナに装備して冷凍機事故被害の撲滅を図っている[5]

番台毎の概要[編集]

38000番台[編集]

38001 - 38006
東札幌日通輸送所有。全高2,600 mm(規格外)、全長9,410 mm(規格外)、総重量14.5 t。
38009 - 38011
東札幌日通輸送所有。全高2,620 mm(規格外)、全長9,410 mm(規格外)、最大総重量19.9 t。

39500番台[編集]

39501 - 3954[6]
ランテック所有。床面は免震構造(車体下からの振動対策)仕様。片側面の冷凍機寄りに、小幅な横ドア付き。規格外ハローマーク付き(全高 H =2,750 mm、全長 L =9,410 mm)仕様。総重量16.5 t。2011年矢野特殊自動車製造。「青函トンネル通過禁止」仕様。
39505 - 39512[7]
ランテック所有。床面は免震構造(車体下からの振動対策)仕様。横ドアなし。規格外ハローマーク付き(全高 H =2,750 mm、全長 L =9,410 mm)仕様。総重量16.5 t。2012年に矢野特殊自動車製造。「青函トンネル通過禁止」仕様。

脚注[編集]

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出典[編集]

  1. 貨車技術発達史編纂委員会(編著)/日本の貨車 技術発達史 明治5(1872)年〜平成16(2004)年/2008-03発行 /(社団法人)日本鉄道車輌工業会/記載 p449.
  2. 貨車技術発達史編纂委員会(編著)/日本の貨車 技術発達史 明治5(1872)年〜平成16(2004)年/2008-03発行 /(社団法人)日本鉄道車輌工業会/記載 p 448 - 449.
  3. 『トラベルMOOK 新しい貨物列車の世界』 交通新聞社、2021年、32 - 33頁。ISBN 978-4-330-05421-6
  4. 『トラベルMOOK 新しい貨物列車の世界』 交通新聞社、2021年、32頁。ISBN 978-4-330-05421-6
  5. 『トラベルMOOK 新しい貨物列車の世界』 交通新聞社、2021年、32 - 33頁。ISBN 978-4-330-05421-6
  6. 『トラベルMOOK 新しい貨物列車の世界』 交通新聞社、2021年、32 - 33頁。ISBN 978-4-330-05421-6
  7. 『トラベルMOOK 新しい貨物列車の世界』 交通新聞社、2021年、31 - 33頁。ISBN 978-4-330-05421-6

関連項目[編集]